マルシン モーゼルM712 6mmBBブローバック HW (ヘビーウエイト)


モーゼルM712といったらフルオート。モデルガンでは1980年代の発売当初から有していた機能が、エアーガンの方では中々実現しなかった。やっと出た8mmも散々な状況で「もう一踏ん張り!」と思っていたマニアは数多存在していた筈だ。
今回遂にその全ての要望を満たす、6mmでかつフルオート可能なM712、正に究極のモーゼル発売となった訳だが、さてその出来栄えはどうなのか。
以下に確認していきたい。


上が8mmモーゼル。下は今回発売の6mmブローバックモーゼル。
箱はシンプル。8mmの時に品が無いと随分叩かれたから一切のデザインを放棄したのか。或いは単にコストダウンか。

説明書は何と8mmの物。で、「流用しています」という断り書きの紙切れが同梱。
ちなみにこの紙切れによると、ショートは9発ロングは25発装填だそうな。
それと、取説では記載があるがあのクズLDー2システム(バレル途中にパッキンを入れた物)は適応されてません。良かったね。
それと、ウチの8mmは取説最後に組立図と部品の値段表があったのだがここがフレーム部分のみになっている。バレル周りのパーツとマガジンは一まとめで紹介されて終わり。
これは、分解させたくないのかパーツを売りたくないのか。いずれにせよユーザーサポート的には残念な部分。

付属品としては他にプラ棒をブッた切っただけの棒(バリも取ってない、ホントに切り落としただけ)が付属しているが、これってどうなのか。こんなモン付けるって事は弾詰まりするって事か?ほんのちょっとコストかけても○イのバレルクリーニングロッドみたいなのを付けたら全然評価変わったのだが。
 

まずは外観から。

比較の為、上から6mm固定ガス、8mm、そして今回の6mmブローバック。

バレルが太い!それでもってフロントサイトもデカい!このへんは確かに8mmの流用を感じざるを得ない。これだけ太いとモーゼルのスマートなイメージは失われてしまい、かの有名な中華オリジナル「45口径モーゼルすら想起させる。
とにかく、従来の7.62mm口径に慣れた目にはどうしてもバレルと機関部のバランスが悪く、フロントヘビーで変な感じがして仕方が無い。

(奥から手前へ6mm固定ガス、8mm、そして今回の6mmブローバック)

表面仕上げはパーカライジングっぽいつや消し黒。ヘビーウェイト素材だそうだがその所為なんだろうか。
使い込んでつやつやし出したら、従来のスタンダードのつや消し黒よりもカッコ悪そうだ。

(奥から手前へ6mm固定ガス、8mm、そして今回の6mmブローバック)

個人的な思い込みかもしれないが、モーゼルはいかにも「ミリタリー」な無骨なデザインと、その一方で「ミリタリー」と付きながらもおよそ軍用とは似つかわしくない、雅な感じの共存が魅力だと思うのだが、その優雅さは固定スライドのメタルフィニッシュの様な光沢金属肌から受ける印象がある。
妙なつや消し仕上げの所為で、ますますもって怪しい中華コピーっぽい雰囲気増量になってしまった気がしてならない。他のと並べると「これ、純正モーゼル社のじゃないだろ」って感じさせるくらい違和感あるんだよね。

あと、グリップのネジを受ける金具が真鍮の金から黒染めになった。これも個人的には残念な箇所。

左から6mmブローバック、8mm、6mm固定。6mmブローバックのグリップは自作の木グリに変更済。

チャンバーから覗くボルトはくっきりとパーティングラインが出ている上にエキストラクターは単なる凹モールドと、8mmに引き続きかなりイメージダウン。はっきり言って、おもちゃおもちゃしていて悲しくなる。30年前のモデルガンだよこのクオリティは。

上から6mm固定ガス、8mm、6mmブローバック)

そのボルトの引き量が2cm位足りないのも8mm以来。とはいえ、「面倒見るのも隊長の役だッ!」とか言いながらジャキッと引いて装填する感触は戦闘前の儀式として捨て難い。この辺はブローバックモデルならではの醍醐味か。

ガスを入れてみて、何故ロングマガジンを付けたのか納得。ショートマガジンが全然ダメダメで最後まで使えないからだ。これでロングマガジン別売りって言われたら暴動に発展するだろうな。
とにかく、公称9発撃ち切る前にガス噴いちゃう。ロングなら全然問題ないのにね。通常のハンドガンマガジンと比べてもショートマガジンは小さいから、ガス室容量が足りてないのだろうか。
ロングマガジンだとフル充填して2回は使える。マルゼンのスコーピオンだと1回の充填で1回分しかもたなかったので、まあ燃費は(ブローバックとしては)良い方か。


バレル部分を分解してみた。あの禍々しい赤いゴム「LDー2」は存在しない!

組み上げも荒くなった。タンジェントサイトが1000mまで上がらないと思ったら、スプリングがひん曲がった状態で組み上げられていた。バラして直したらちゃんと使えるようになったゾ。
ロングマガジン底部をとめるピンもきれいに平面まで打ち込まれておらず、頭がちょっと出たまま。
セミフルのセレクター動作も、8mmモーゼルと比べてスムーズでない。特にフルからセミに切り替えると必ず行き過ぎて止まる。どっかの国の正式突撃銃と違って、親指一本で銃を見ずに操作出来るのが利点なのにそれが活かされてない。ちなみにモデルガンのセレクターはスムーズだったのだが。


分解は8mmの時以来の、実銃同様に工具を使わず機関部が取り出せる構造。
勿論、通常の利用でこれをやる必要はほとんどないのだが、マニア心をくすぐる数少ない箇所なので紹介。

実射は、セミの切れをよくする改善が施されたというだけあって心地良いセミオートが楽しめる。
8mmの時は装填に失敗してBB弾が排莢?されることがままあったがそれも皆無だ。
それにしても、ブローバックのキックと動作音は凄い。フルオートでぶっ放したら結構な迫力だがゲームでの静粛性は無いので、電動ガン的な使い方になるのだろうか。

ただしその場合、最大25発という弾数な上に高価なマガジンというデメリットを如何に克服するか、オーナーの戦い方が問われる銃ではある。

 (2011年6月発売)

エアーガンデータ
全長296mm
重量1290g
装弾数  9発(ショートマガジン) 25発(ロングマガジン)
作動方式  シングルアクション セミ/フルオート切替式
価格  \29,800
 
 

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