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とあるバーで、とある人物が密会していた。 一人は〈ミスリル〉西太平洋戦隊で陸戦ユニットを預かるカリーニン少佐である。 そして、もう一人は、アッシュブロンドが特徴的な、テッサに似通った特徴を持つ青年であった。 「ずいぶんと騒がしかったようですね」 「そのようだ」 青年の言葉に、カリーニンが頷いた。 「例の彼が、勝手に騒動を起こしたと聞きましたが?」 「その情報は正確ではないな。今回の行動は彼の独断ではない」 「……どういう意味です?」 「私がそのように指示したのだ。西太平洋戦隊とは別行動を取り、彼女を守るようにとね」 「船に関する情報も、僕が伝えておいたはずですよ。お近づきの印として」 「確かに有益な情報だった。しかし、その情報がフェイクで、以前の様に内通者が紛れ込んでいることも考えられる。保険は多いほどいいのではないかね?」 「もしかして、僕は信用してもらえなかったんですか? これから、親しくつきあえる事を、期待していたんですけどね」 その質問を受けて、カリーニンが問い返した。 「では、逆に質問させてもらおう。君からの情報を鵜呑みにするべきだったのかね? むしろ、そういう人間では、君の信頼を得られないと思ったのだが」 カリーニンの言葉を耳にして、青年は小さく笑みを浮かべてみせた。 「乾杯でもしましょうか? これからの長いつきあいを祝って」 「よろしく頼むよ。レナード・テスタロッサくん」
――『こんなベリー・メリー・クリスマス(おまけ)』おわり。
あとがき。 このネタは初めから視野に入れてました。 ただ、思い返すと、宗介とカリーニンの行動は、全くの無意味で、それがなければ、かなめの危機もありえなかったわけです。 らしからぬ事態なので、これは、おまけとして掲載です。だから、隠しページ(^_^;) ただ、いかにあの二人でも、予測がはずれることもあるだろうし、たまたま失敗することもありますよね? たぶん、そんな日もあるんですよ……。 あと、宗介の協力者はもともとレイスの予定だったのですが、この設定があることで、〈ミスリル〉以外に仲間を募ることにしました。一成はピンチヒッターとしての登場だったわけです。 |
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