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こんなベリー・メリー・クリスマス -[1] -[2] -[3] -[完]


こんなベリー・メリー・クリスマス(2)


 逃走中の男女が、足音を忍ばせつつ、船内を走っている。

「なんで、いつもこうなるのよ」

 さすがにその声は小さかったが、彼女にとっては非常に切実な問題である。

「……俺に聞かれても困る」

 無愛想に宗介が応えた。

 単純に原因を追求するなら、その原因は彼女自身に求められる。

 かなめが狙われているのは、彼女が未知の科学技術を入手できるウィスパードという特殊な存在だからだ。各国の諜報機関が、彼女の存在を知ったなら、手に入れるために動き出すのは、むしろ当然の事である。

「それよりも、当面の問題は……」

 宗介が振り向く。

「なぜ、おまえがここにいるのだ?」

 つい先ほど、宗介とかなめは、テロリストに占拠されたホールからの脱出に成功した。しかし、その二人の行動に気付いたこの少年までも追いかけてきてしまったのだ。

「そういう、貴様こそどういうつもりだ? 貴様が、いつものように暴走して、自滅するのはかまわねーが、千鳥を巻き添えにするのは、俺が許さん」

 そう答えたのは、バンダナを巻いた寡黙そうな少年――椿一成だった。

 実は彼は、ホールが占拠された時に、心配してかなめの様子をうかがっており、煙に紛れて宗介が接近したのを目にして、慌てて追いかけてきたのだった。

「無茶なマネを。もしも、おまえがヘマをしたら、俺たちまで見つかっていたのかも知れんのだぞ。これだから素人は……」

「フザけるな! そういう貴様はプロだとでも言うつもりか? ただの軍事オタクが偉そうに説教するな!」

 同級生が、まさか現役の傭兵だと考える人間はいまい。

 陣代高校では、かなめだけがその事実を知っているものの、部外者の一成にその事実を教えるわけにはいかなかった。




 このとき、宗介達を捜索したとあるチームが、トイレ内で若干の抵抗を受けながらも、一人の乗客を拘束した。なにやら、米陸軍だか、米海軍の軍人だという話だった。




 さて、その頃の食堂――。

 逃走時の目くらましに宗介が使用したスタン・グレネードや発煙筒、さらに何発か飛び交った銃弾により、食事が全滅していた。

 テーブルがひっくり返ったわけではなく、ほこりを被った程度なので、食べている強者もいたのだが、それは数人ほどだ。それ以外は指をくわえて見ているしかない。

 彼らのほとんどは、テロリストよりも、宗介に対して殺意を感じたという。

 腹を空かせているため極端にあつかいづらくなった生徒達を、テロリスト達が食堂から連れ出していた。未練がましく食事をながめているのを、無理矢理追い立てていく。

 テロリスト──彼らが名乗った名前によると”ちがいのわかる赤軍派”としては、生徒達を放置しておくわけにもいかない。代わりの食事を準備すると説明して、不満そうな生徒達を、別なホールへと連れ出していった。

 実際、なにが幸いするか分からない。

 そのおかげで、倉庫内で何かが目覚めた時に、パニックも起こらずに済んだのだから。




 豪華客船〈パシフィック・クリサリス〉号を占拠したチガ赤とは?

 その正体は、最強の傭兵部隊〈ミスリル〉であった。覆面等で顔を隠しているのは、皆、宗介の同僚たちなのである。

 この船に乗り込み指揮を執っている人間は、ベルファンガン・クルーゾー中尉といい、精鋭部隊SRT(特別対応班)のリーダーであり、宗介の直属の上官でもあった。

 作戦本部である船橋にいた彼のもとへ、通信が入る。

『こちら、カノ13』

 相手はPRT(初期対応班)の人間で、無人区画の制圧に向かっていたはずだ。

「連絡が遅いぞ。なにがあった?」

『ウルズ7の逆襲を受けました』

「……なんだと?」

 クルーゾーが眉をひそめる。

 確かに、ウルズ7(宗介)とは事前に連絡をとれていなかったのだが、こんな事態は想定していなかった。

 融通のきかないあの男のことだから、エンジェル(かなめ)を守るためにとった行動なのだろうが……。そのために、作戦行動に支障をきたしては目も当てられない。

「それで、ウルズ7はどうした?」

『それが、説明のヒマもなく、襲撃されまして……』

 武装を奪われて、チーム全員が、ロープで縛り上げられたらしい。悪戦苦闘して、なんとか束縛を解いて、通信できたとのことだった。

「いかに、ウルズナンバーとはいえ、ひとりを相手に情けないとは思わんのか?」

 ウルズナンバー──SRT隊員だけに許されるコールサインの事だ。

『それがひとりではなかったんですよ』

「エンジェルのことか?」

 やたらと行動力があると聞かされていた少女の名をあげてみる。

『いえ、その他にもうひとり強い人間がいたんです。軍曹以外にもエージェントがいるんですかね?』

「……もしかすると、情報部の人間かもしれんな。貴様もウルズ7を追え。無理に拘束する必要はないが、面倒を起こされると厄介だ。他のチームと協力して、ヤツの行動範囲を狭めておけ」

 当の情報部員は、食堂で相席した人間とのんきに語らっていたのだが、クルーゾーには知るよしもないことであった。




 一方、逃亡者側では――。

「ふん。テロリストって言ったって、たいしたことねーな」

 一成が自慢げに呟いた。

 テロリストにしてみれば、学生服の少年を相手に乱暴できない事情があったのだが、一成はその事実を知らない。それに、格闘戦において、一成の方が上なのも事実であった。

 彼らは戦利品のサブマシンガンをそれぞれ分け合っていた。

「血の気の多いおまえが、よく、修学旅行の時はおとなしくできたものだな」

 宗介は何気なく疑問を口にした。

 その言葉に一成はとたんに顔をこわばらせた。

「ちっ……。あのときは、動きたくても、動けなかったんだよ」

 飛行機が占拠された時、機内にはテロリストが数名いて、全員が銃を持っていた。

 一人を倒すことに成功しても、他の人間を取り押さえる手段がない。一成は銃など扱ったことがないのだ。

 だが、本当の理由はそうではない。

 宗介を相手に口にしたくはなかったのだが、ごまかすことも彼の誇りが許さなかった。

「……怖かったんだよ」

 宗介から視線をそらし、一成が吐き出すように告白する。

「オレはヤクザ相手でも恐れはしないが、あのときだけは動けなかった。あいつとだけは戦いたくなかったんだ」

「あいつ?」

「ああ、厄介そうな奴がいただろ? 額に傷のあった男だ」

 その言葉に、宗介とかなめが反応を示す。

 宗介の顔は苦しげに歪み、かなめは一度だけ体を震わせる。

 それは、幾度もふたりに死の恐怖を感じさせたテロリストであった。

「笑いたければ、笑え」

「……笑いはしない」

 一成が怪訝そうに視線を向けると、宗介は真剣な表情で言葉を続ける。

「俺にも恐怖を感じる人間はいる。チェーンソーを振り回す用務員とか、怒りに燃えたクラスメート40人とかな」

 その時の記憶が呼び覚まされたのか、宗介は表情が硬くなった。

「貴様の判断は正しい。相手の力量を正確に把握するのは、戦闘の基本だ。貴様は鍛えれば優秀な兵士になれるだろう」

「まさか、貴様に誉められるとは思わなかったぜ」

「俺も、おまえを誉めることになるとは思わなかったぞ」

「ふん。貴様に誉められても嬉しくはないがな」

「気にするな。もう、二度とそんな機会はないだろうからな」

 お互いを認めあったかと思われた矢先に、相変わらずの険悪なムードが立ちこめる。

 仕方なくかなめが仲裁を試みた。

「いい加減にしなさいよね。あんたち。いま考えなきゃいけないのは、どうやって逃げ切るかよ。協力するのがイヤなら、あたし一人で行くわよ!」

 かなめにそう宣言されては、二人で角をつき合わせていても仕方がない。

 ふたりがこの場にいるのは、かなめを護るためなのだ。

 友好的とは言い難い三人が、うやむやの休戦協定の元、船首へ向かって逃亡を開始した。




 敵もさるもので、宗介達への包囲を徐々に狭めて来ていた。

 敵の接近を察知して、宗介は奪ったサブマシンガンで反撃を開始する。

「お、おい! 相良、いいのか?」

 一成が戸惑いながら問いかけた。

 一成は自分を臆病者だとは思っていないが、人間に向かって発砲するのは、やはり、ためらいがあった。当たり所が悪ければ、死ぬかもしれない。たとえ、相手がテロリストとはいえ、簡単にその一線を踏み越えられるものではなかった。

「心配の必要はない。この銃に装填されているのはゴム弾だった。俺がいつも使用しているあれだ」

「ゴム弾? なんで、テロリストがそんな物を?」

「知らん。良心的なテロリストだったのだろう」

「なんだよ、そりゃ」

 一瞬、あきれ顔を浮かべたものの、一成はサブマシンガンを構え直す。

「ふん。そういう事ならっ……」

 一成も宗介に習って、銃撃を開始した。




 何十発、何百発と銃弾が交わされる。

 ゴム弾に倒れた一人のテロリストが、むくりと身体を起こした。

「あの野郎〜。もう、容赦しねーぞ」

 目の部分だけを開いている覆面──バラグラバ帽からはみ出した金髪を揺らしながら、青年が三人の高校生をにらみ返す。

「あの野郎、カナメの目の前で、泣いて許しを請うまでゴム弾を叩きつけてやる」

「あんた、大人げないわよ」

 そんな男を、女の声がたしなめる。

「ソースケはこっちの正体を知らないんだから、大目に見てあげなって」

 話しかけていた女の後頭部に、壁で跳ね返ったゴム弾が直撃した。

「……っ!」

 声もなく、女がその場に倒れた。

「大丈夫か? 姐さん」

 おそるおそる男が尋ねる。

 両腕をついて、四つんばいの格好になった女が、首を振って意識をはっきりさせる。

 ふっふっふっふ……。

 含み笑いを漏らしながら、彼女は幽鬼のように立ち上がった。

「殺すっ!」

 ベルトに取り付けてある手榴弾に似たものを手に取り、ピンをはずして宗介の方に放り投げた。

 スタン・グレネード。非致死性だが、閃光と轟音で相手の戦闘能力を奪う。

 宗介もすぐにその正体に気づいて、その場から逃走を図る。

 通路を閃光が満たし、爆音が壁を震わせた。

 あ〜あ……。

 肩をすくめる男に、女がいらついた声をかけた。

「クルツ! ぼけっとしてんじゃないわよ。あんたは向こう。いいわね。上の階で挟み撃ちにするわよ」




 が、しばらくして、宗介を追っていたはずのマオは「金庫室」の前にいた。

 本人は、宗介を捕らえて、教育上不適切なおしおきをすることを望んだのだが、作戦指揮をとっているクルーゾーに命じられては、否ともいえず、不承不承、本来の任務に戻っていた。

 西太平洋戦隊がこの船を占拠したのは、「国際紛争の阻止」という〈ミスリル〉の行動目的が嫌になったからではない。

〈アマルガム〉が大金をかけて建造したこの中には、おそらく重要な設備が眠っているはずだ。このプロテクトを破れば、敵の秘密の一端を手に入れる事ができるだろう。

 今回の作戦立案で、少なからずテッサの独断があったのは確かだが、それなりの必要があってのことだ。そうでなければ、副長のマデューカスも最終的に了承するはずがない。

 陣代高校の面々が招待されたのは、かなめに対する人質だろうと考えられた。この船の船員が敵というなら、生徒達全員が狙われる可能性がある。

 シージャックの目的は、一般客の安全を確保しつつ、この船の秘密を入手することだった。

 この部屋へ案内してくれたのは、不幸にも囚われの身となった、この船の船長さんである。今頃はヤンに連行されながら、これからの自らの運命に涙していることだろう。

 もう一人の艦長さんは、お茶の準備をしているはずだった。

 金庫破りの仕事も、これはこれで面白い。マオはパソコンとにらめっこしつつ、唇を舌で舐め上げた。




 クルーゾーのもとに、ヤンからの通信が入った。

『こちら、ウルズ9。敵の襲撃を受けました』

「今度は、なんだ? ウルズ7の件なら、もう放っておけ」

『いえ、ウルズ7のことではなく、別口です。……船長に逃げられました』

「なにをやっとるんだ貴様はっ!」

 彼らしくもなく怒鳴りつける。

『実は、例のASが船内に出現して、襲撃してきたんですよ』

 応じるウルズ9こと、ヤンの声も歯切れが悪い。

「例のAS?」

 思わず聞き返したクルーゾーだったが、すでに察しはついていた。

 エンジェルが目撃したという人間大の超小型ASが出現したのだ。このような事態を想定して、この船に積み込んでいたのだろう。

 予想もしなかった強敵の出現により船長に逃げられたというのは、仕方のないこととも言える。

『なんとか無力化には成功したんですが、直後に自爆されてしまいました』

「了解した。引き続き船長を捜索しろ。他の隊員も応援に回す」

 物事が計画通りにいかないのというのは自覚していたつもりだったが、こうまで面倒が重なるとは想像もしていなかった。

 だが、残念なことに、彼らの災難はこれで終わるわけではなかった。

 襲撃するそのASはさらに数を増し、遠い海面下からはさらなる災厄が迫り来ようとしていた。




 通信を切ったヤンが天井を仰いだ。

 やれやれ、もうちょっと運命を司る天秤がうまく動いてくれたら、こんな失態を犯さずにすんだはずだ。

 そう考えたヤンだったが、似た状況に遭遇した彼が、活躍し得たかどうか、それは神にしかわからないことだろう。




 警戒しながら歩いていた宗介だったから、当然のごとく物音にも敏感だった。

 どこかから銃声が聞こえる。

 自分たち以外の何者かが、銃弾を交えて戦っているのだ。

 誰か……もしくは、何かと。

「ソースケ?」

 不安そうに声をかけたかなめの隣にいる、一成に視線を向ける。

「椿。千鳥を頼む」

「ちょっと、どういう意味よ?」

「何かが起こっているようだ。少し、様子を見てくる」

「大丈夫なの?」

「うむ」

 宗介が頷いてみせる。

「彼女を頼めるか?」

「貴様に頼まれなくても、千鳥はオレが守る」

 一成が宣言する。

「そうか」

 宗介は頷くと、学生服を脱ぎだした。

 下に着ていた厚手のベストを一成に渡す。

「これは防弾ベストだ。着ておけ」

「お、おい」

 これを受け取ると、当然、宗介の身は危険にさらされる。それが分かっていて、受け取る気にはなれなかった。

「勘違いするな。貴様のためではない。万一の時には、お前が千鳥の盾になるんだ」

「……わかった」

 宗介としては、一成を無条件で評価しているわけではない。しかし、信用できる相手なのは確かだった。

「すぐ戻る。ショッピング・センターで合流しよう」

「ああ」

「いいか。貴様一人でプロを相手にできるとは思うな。相手が武装していたなら、無理な抵抗はやめろ。むしろ、投降した方が安全だ。ただし、丸腰で友好的に接触してくる相手にこそ気を付けろ。くれぐれも油断するな」

「わかった」

 しっかりと一成が頷いた。

 もともと一成は、バイトが理由で、今回のクルーズには不参加の予定だった。

 しかし、宗介が参加すると聞いて、あっさりと予定を変更した。自分の参加しなかったこのイベントを、二人の口から楽しげに語られるのを考えると、我慢できなかったのだ。みにくい嫉妬なので、内心、なさけないとも思っていた……。

 だが、どうやら、自分が参加したのは無駄ではなさそうだ。

 自分の大切な人間を守るために、力を必要とされる。これほど誇らしい瞬間があるだろうか?

 立ち去ろうとした宗介に、一成が声をかけた。

「相良。気を付けろよ」

「うむ」




 宗介がその通路を通りかかった時、なにやらかちゃかちゃと音が聞こえてきた。

 キッチンがあるらしく、そこから一人のテロリストが姿を現した。

 レイバンのサングラスをかけたメイド服姿だ。サブマシンガンを所持しているものの、ティーセットを乗せたトレイを両手で持っているため、肩ヒモで肩にぶらさげているだけだ。

「あっ!」

 その少女は、宗介を見かけると声をあげて、トレイを落としてしまった。

「あっ!」

 今度は、足元で割れて飛び散ったティーカップや転がった水筒を見て、驚きの声を上げる。

 少女が、がっくりとうなだれた。

 はたと、宗介の存在を思い出すと、サブマシンガンを構えようとするが、握り損ねて廊下に落としてしまった。

 急いで拾い上げようとして屈んだ拍子に、今度は自らのスカートを踏んづけて、すっころんだ。

 狙ってやっても、ここまで上手くいかないだろう。

 慌てて立ち上がった少女が、拾い上げたサブマシンガンの銃口を宗介に向ける。

 しかし、宗介はため息をつきながら、ずかずかと少女に歩み寄った。

「止まってください。止まらないと、撃っちゃいますよ」

 うろたえながらも、可愛い声で命じてきた。はたして、その言葉に従う人間がいるのだろうか?

「何をしているのですか? 大佐殿」

 がばっと、サングラスを取り払うと、そこにはテッサの顔が現れた。

「ど、どうして、わかったんですか?」

「…………」

 わからない方がどうかしている……。

「なぜ、大佐殿がこの船にいるんですか?」

「その、サガラさんは知らないでしょうけど、ガウルンの残したバダムという言葉は、この船を差していたんです」

「…………」

「それで、どうやって、船を押さえようか考えていたんですが……」

 そこまで答えて、テッサが口をつぐむ。

「勝手に作戦を拒否したのは、サガラさんの方です。部外者に作戦を説明するわけにはいきません」

 きっぱりとテッサが言い切った。

 いまさら遅いと、宗介は思ったのだが、口にしたのは別なことだ。

「それより、何か連絡はありませんか? どうもあちこちから銃声が聞こえているようですが……」

「え?」

 こうして、テッサはクルーゾーとの連絡により、戦況が一変したことを知った。

 クルーゾーの元へは、〈アラストル〉出現の連絡が次々に入ってきていた。その数は、合計11機。

 さらに、クルーゾーは告げた。

『中佐から緊急連絡がありました。超高性能水中艦が三隻接近中。現在、〈デ・ダナン〉は対潜水艦戦闘に突入しています』




 作戦予定時間は、ようやく半分を経過したところであった──。




 ──つづく。




 あとがき。

 椿一成、参戦。

 ……とはいうものの、それほど活躍の場はありません。

 事前に説明しておきますが、水中戦闘は割愛します。原作とまるまる同じですから。








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