はなしの花

スイスの花紹介 PART3

 猛暑、というより酷暑。

 16日、埼玉(熊谷)と岐阜(多治見)では最高気温が40.9度に達し、74年ぶりに観測記録を更新しました。

 まるで蒸し風呂の中にいるような暑さで、気を抜いたら気絶してしまいそうなほど…。

 日射病や熱中症にはくれぐれもご注意ください。

 さて、暑い日本の話は忘れて、涼しかったスイス旅行を思い出し、花の紹介の続編をお届けしたいと思います。

 今回は花の写真紹介第3弾です。

 ※前回までの参考。

「スイスの風景写真」
「スイスの花の紹介(1)」
「スイスの花の紹介(2)」

 最初に紹介する花はハーブで知られる「イブキジャコウソウ」の仲間です。

ティムス・プレジオイデス  名前は「ティムス・プレジオイデス」。鮮やかなピンク色をしたシソ科の花です。
(写真をクリックすると拡大されます)

 近似種に「ティムス・ポリトリクス」という花がありますが、写真の花の方が背が高いので、「−プレジオイデス」だと思います。

 日本新薬のHPに掲載される「ハーブの館」によると「ティムス=Thymus」の語源は、「thyein」(香りを放つ)に由来するギリシャ古名「thyme」に基づくとのこと。この花の葉を折るとジャコウの香がするらしいのですが、筆者は撮影時にその知識がなく、写真しか撮りませんでした。今思うと、残念なことをしたと思います。

 続いては「西洋タマキンバイ」。

トロリウス・エウロパエウス  現地名「トロリウス・エウロパエウス」。キンポウゲ科の花です。
(写真をクリックすると拡大されます)

 写真のように花は完全に開かず、半開きになっていることから、英名は「グローブフラワー」と呼ばれています。

 続いて“もどき”花。

プルネラ・グランディフロア  ウツボグサの仲間でシソ科の「プルネラ・グランディフロア」です。
(写真をクリックすると拡大されます)

 ウツボグサよりも背が高く、花の数も多く、色も写真のように赤み掛かったものが多かったような気がしました。ただ、枯れた部分も多かったので、少し時期が遅かったのかも知れません。

 最後は「黄色いじゅうたん」で締めくくりましょう。

カルタ・パルストリス  「カルタ・パルストリス」。キンポウゲ科で「リュウキンカ」の仲間です。(写真をクリックすると拡大されます)

 訪れた時がちょうどこの花の最盛期で、あたり一面に咲き誇っていました。生ゴミのような臭いを発しているのには閉口しましたが(臭いのせいかハエがたかっていました)、草原を埋め尽くす「黄色いじゅうたん」はまさに圧巻。花の臭いとともに、忘れることはないと思います。

 3回にわたったスイスの花の紹介もこれで終わります。

 撮り損ねた花が多くて、悔いが残っていますが…。

 「エーデルワイス」も「アルペンローゼ」もお目に掛かれませんでした。

 2日程度では撮り尽くせないというのが、今回の旅行の感想です。再訪の機会があったら、今度は1シーズン滞在したいものです。

 ちょっと、無理かな。

 なお、花の名前や特徴を調べるにあたり、小島潔氏著「スイスアルプスの花を訪ねて」(山と渓谷社)を参考にさせていただきました。

(8月18日 記)


[戻る]