知香のサバゲダイアリー
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「レギュレーションって?」(第二章:戦国春秋編・春の2)

(前回に引き続き、泪橋フィールドのセーフティにて)

知香:「サバゲ三大規律八項注意」、しかとこの魂に刻みまする。

金子:なんか知香ちゃんまで蒼天航路入って来ちゃったな。主席ー、影響力出し過ぎであります!

紅中兵:んー、じゃこの章はカケルに譲ろうか。
君は各地の有料フィールドも一通り回っている。レギュレーションとは何か、また我がチームと他チーム・他フィールドとの差異について説明出来るね?

カケル:はっ、お任せ下さい!
「サバゲ三大規律八項注意」は、人参軍オリジナルとはいえ、いわばサバゲの根本原則となる決まり事だ。
それに対し「レギュレーション」と呼ばれるものは、チームやフィールドによって「我々はこういう条件でサバゲをやります」という、いわばローカルルールの様なもの。

とはいえ、大筋はだいたいどこも同じ様なもので、他チームの場合だと「サバゲ三大規律八項注意」を定めていないからレギュレーションでこの内容を含めている場合が多いね。

比較の為にまず人参解放軍レギュレーションについて説明し、その次に例としてここ、泪橋フィールドのレギュレーションを説明しましょう。

林当家:知香ちゃん、覚えることいっぱいだけどガンバレ!
ま、忘れちまったりあやふやだな、と思ったらいつでも俺達に聞いてくれりゃあ良い。
それが俺達、特攻野郎・・・

金子:Aチームですかぁ。

紅中兵:俺はリーダー紅中兵、通称SOH。奇襲戦法と突撃の名人だ。
俺のような天才策略家でなければ百戦錬磨のつわものどものリーダーは務まらん。

林当家:俺はリンウーミン。通称当家(タンジャ)。
自慢の馬牌槍に、マニアはみんなイチコロさ。ハッタリかまして、PPSHからトミーガンまで、何でもそろえてみせるぜ。

カケル:頼むから話しさせてくださいよー。
さてさて、サイトの方ではこちらで紹介しています、人参解放軍レギュレーションについて、重要な項目を解説しながら見ていきましょう。

まず、「使用可能銃」。 これは市販エアーソフトガン及び自作で、吐出圧が最大でも0.98J(ジュール)未満の物としているよ。

J(ジュール)とは運動エネルギーを示す単位で、まあわかりやすく言って弾のパワー、当たった時の痛さレベルを示していると思って下さい。
ただしJではわかりにくいので、一般的には初速といってBB弾が銃口から出た時の早さ(秒速)で示します。

なので、上の値(エアガン規制の上限値)を弾重量別の初速で示すと
   ・6mm0.2g弾 99m/s
   ・6mm0.25g弾 88.6m/s
   ・6mm0.3g弾 80.8m/s
となるんだ。

なので、この値を上回るモノは言うまでもなく使用禁止。

なお、メカボックスを利用して市販されてない銃を作ったりする、外観の改造(ガンスミス)は問題ないけど、メカの改造については弾道向上や安定作動を目的としたものに限り認められているよ。
まあ、古いエアガンを今使おうとすると何かしら手を入れないとなかなか大変だからね。

知香:幾らか手を入れるにせよ、そんな得物で戦い続ける皆さんのスキルに感服です。

林当家:弾さえ出れば後はなんとかする、ってのが我々だからな。
まあそうは言っても限界があるから、ホップ無の奴に手製ホップ組んだり、ってのが上の主旨なんだよね。

カケル:続けます。次は「使用弾・弾数制限」。 
弾重量は制限なし。弾数制限も通常ゲームではなし。

この弾数無制限については、設けているチームからすると緩く見える様だ。でも我がチームでは現実として、弾数が多いからってバカスカ撃ちまくるかといえば、そういう事は起こっていない。

実は、敵が見えたからって射程距離もしっかりわかってないのに狙いもしないで撃ちまくる様な奴の射撃なんて怖くない。
寧ろ位置が特定出来るので、完全に隠蔽した状態で敵を目指す時なんかは、方向はわかるわ移動音を射撃音に紛れさせる事ができるわと利敵行為バリバリなんだよね。
そんな訳で、弾数制限は課していない。

 ただしパワーレギュレーションは「何g弾であれ0.98J未満厳守」だから、こちらは注意してね。

次は、「パワーソース」。
電動、コッキング、エアータンク、フロン、グリーンガス及び1発づつ手投げ。
(火薬その他爆発物の類を発射用パワーとする事は禁止)

まあ、エアータンクは人参軍的には使用可だけどフィールドによっては「外付けソース使用不可」というケースがあり、その場合は使用禁止となる。まあ知香ちゃんがそんなエアーガンを使う事は無いと思うので、心配しなくて大丈夫。

知香:エアータンクって何ですか?

林当家:昔の長物ガスガンの多くは、銃本体にガスタンクを有していなかった。そのため、ホースでガスを詰めたタンクを繋いでパワーソースにしていたんだ。
タンクに入れるガスは、自転車の空気入れ等で空気を圧縮して入れる場合もあれば、ガスガンと同様の注入口がついていてガスを入れることが出来る物、高圧に耐えられる様になっていてダイビングショップ等でエアーを詰めてもらうスーパータンク等があった。
で、タンクにもよるが10気圧程度まで圧縮して詰めたものを、3.5気圧程度まで落として吐出させて1J程度で使うのだが、この気圧を調整する機器「レギュレーター」が可変の場合、吐出圧を上げることで簡単にパワーを上げることが出来るエアーガンが、特に構造の簡単なBV式という種類の中にあった。
そのため、使用可能なルールの中でも初速測定の後は封緘して変更出来ない様にするなど一定の縛りを設ける事が多かったんだ。
とはいえ、全ての外付けガスガンがそうな訳ではない。安全装置を備える等して、圧自体を上げてもパワーは上がらない構造の物もある。
ただ、そうはいっても主催者が全てを把握する事は困難だ。構造が簡単なだけにガワだけを利用した移植も簡単だったからなおさら。
そのため、一般的に「全部禁止」としているところが多いんだな。
とはいえ、今の電動と比較し命中精度・装弾数・ホース&タンクを含めた取り回し、全てに劣るため、外付けガスガンを今でも使うゲーマーはほとんどいない。
もし現れたとしても主席や俺はこの辺のガスガンにも詳しいから、幾らでも対処可能だ。
だから、知識としてだけ知っていれば良い。何も心配することはないよ。

知香:はーい。
さすがに歴史のあるチームは過去の遺産にも強いんですね。

紅中兵:んーそもそも我が輩がかつて多用していたモーゼルにこの「タンク外付け」にする奴があるし。

金子:そういえば今でも夏場に時々使ってますよね。
銃自体より若いゲーマーを次々なぎ倒している姿を時々お見かけしています。

カケル:続いて、「ゴーグル」 。
ASGK規格品或いはそれに準ずる強度のある、確実にBB弾を防げる物。
スキーゴーグル等は安全性が不明なので使用不可です。
シューティンググラスも認めていますが、隙間からBB弾が入る事があるのでその点を承知して使ってもらう様にしているよ。
また、お買い物の時に話をしているが、メッシュゴーグルは弾が割れると破片が網目から中に入って来る恐れがある。
使うならその辺も考慮の上で選択する事、としています。

また、フェイスガードは必須とはしていないけど、安全性の観点から着用を強くお勧めしてます。
実際に人参軍での着用率はほぼ100%ですよ。

スコープその他補助照準具
狙撃用スコープやダットサイトは可だが、レーザーサイトの使用は禁止。
懐中電灯やマグライトの使用は可だがシュアファイヤやフラッシュライト系は銃に装着するだけ(点灯は禁止)。

まあ、現実問題としてレーザーサイトは「僕は今ここに銃口を向けてます」って敵に教えちゃってる訳だから、ある意味とてもお間抜けなアイテムだよね。
実際にインドア戦で遭遇した事があるが、レーザーのポイントが来た時に隠れ、あっちの方に行ったのを確認して飛び出し、来た方角を狙って一発で倒したよ。

知香:まあ、なんと見かけ倒しな人(笑)
アメリカの警察ドラマとかの影響なんでしょうね。

カケル:続いて、「無線機・トランシーバー」は持ってるなら使って構わない。ただしフィールド運営さんも使っている場合、同じチャンネルを使って混信させないようにだけ注意です。

さて、次はとても重要な「ヒット判定」について。
いわゆる、そのゲームにおいて死亡となるのは何か、それをさせるのはどんな道具を使った場合か、を説いていく。

知香:エアーガンだけじゃないんですか?

カケル:基本はエアーガンなんだけど、そこはまあ「大人の戦争ゴッコ」という意味合いから、危なくないモノを使った「スポーツチャンバラ」的な要素もOKとしているんだ。
まあもっとも、だからといって実際にエアーガン以外を使う人って「上海戦でGO!」以外ではここ数年見たことがないよ。

ということで、まず「銃撃」から。
ヒット判定対象となるのはBB弾のみ。
敵からの射撃のほかに跳弾、装備品着弾、味方(含む自分)の射撃弾も全て有効です。
要は何であれ、BB弾に当たったら全部ヒット有効って事。

ただし、人参軍レギュ特例の1としてナイフアタック用得物の刃(又は攻撃用部分)に着弾した場合は「弾をはじいた」扱いで、ヒットではないとしているお(通称「五右衛門ルール」)。
 
それから人参軍レギュ特例の2として、振りかざしている旗及びその旗ざおは被弾してもセーフにしている。
ただし、旗を旗ざおに付けた状態で頭上など体から離して掲げている場合にのみ有効であり、旗が体と密着しているとか旗を体・銃に巻いている、弾よけとして旗を使用した等の場合は通常通りヒットの判定だ。

これは、旗なんか持って片手を塞いでしまえば自分が不利なだけだが、それでも敢えて旗を掲げて突撃がしたい熱きゲーマーの願いに応える特別ルールだし、他チームでは認めてないから人参軍主催ゲームのみ有効なローカルルールだ。
 
それから、媒体を使用してBB弾を飛ばす場合、直接人に当たっても危険でないものに限り許可。
手榴弾や地雷など火薬等の「音」武器は、攻撃された側が受け入れた場合のみヒット有効。
ま、要は「ノリでヒットにしてくれるかどうかは相手次第」って事。

でも、ペットボトルロケットやロケット花火などは使用禁止だよ。危ないからね。
また、また水風船や染料入り風船などの類も禁止だ。 電動ガンだと水でショートして壊れたりしちゃう。
やりたい時は、「水風船オンリー戦」とかやるから、普段のゲームでの併用はナシ。

次に、「ナイフアタック(白兵戦)」だ。
これは最近ほとんど見ないけど、以前は隠れ場所に事欠かないフィールドでサイドアームにスポーツチャンバラって人もいたので一応ルールとして、ラバーナイフや玩具刀など、危険のない物による軽い接触だけを認めている。
刺したり刃面で露出した肌を斬る等の危険が予想される行為は禁止だ。

また、「フリーズコール」というのがある。これは、例えばすごく近くで相手の後ろをとる事が出来、ここで撃ったらすごく痛そうだな、という時に発砲の代わりに「フリーズ」と声をかける事。
とはいえ、これを受け入れてヒットとしてくれるか、反撃してくるかは相手次第。
これもフィールドによっては禁止しているところがあるので、事前の説明時に確認しよう。
まあ、悩むならセミで一発撃ってヒットにしてあげちゃって構わないよ。
 
それから、とても大事な「接触について」。
白兵戦武器以外の接触はナシです。だから銃で殴るとかは当然禁止。
相手の銃や体に触るのも一切禁止。
もし発生したら、動いていた側(つまり、触っちゃった方)がヒット判定。双方が同様に動いていた場合は両者共死って事で。

それから、通常のゲームではゲーム中のセーフティー出入りは出来ない。弾が切れたとか銃が壊れたとか、とにかくどんな理由があるにせよセーフティーに入ったら戦死扱いと思って欲しい。
だけど、銃が使えなくなってもフラッグ戦ならフラッグを取るとか、サバゲ自体を続ける事は可能だから、すぐにあきらめてセーフティ−に帰らない様に。

次に、ゲーム中、ゴーグルは決して外さない事。どうしても必要な時は自発的に戦死し、フィールドを離脱して外す様に。

知香:はぁぁーい。

カケル:人参軍レギュレーション、主要なところはこれで全てだ。
次に、この泪橋フィールドのレギュレーションを確認しておこう。
人参軍レギュレーションと比較しながら見てごらん。


泪橋定例戦ルール
<基本的ルール>
・フィールドに入るときはゴーグル必ず着用 
・ナイフアタック、フリーズコールは禁止
 ただしバンザイ突撃時のゴム刃等の銃剣の装着はあり。本物のナイフは装備、装着禁止。
・ゾンビ行為…許しません。ゲーム中に発見した場合は速やかに主催者まで連絡のほど。
・投石…禁止(危ないです!)

<ヒット>
・ヒット判定…体、銃、装備になどに当たった事がわかった時点でヒット
 ヒット後は大きい声で「ヒット」と言って銃を上に挙げながら速やかにセーフティゾーンに行く。
 最後まで手を上げること。トラブル防止のため、戦闘区域を通過する時は「ヒット通りま〜す」と言いながら行く。

<パワーレギュレーション>
・パワー…0.2g弾を使用して0.98J以内
 改正銃刀法により0,98Jを超える銃は準空気銃に適合するので通報対象。 
・重さ…重量の指定は無し。BB弾はバイオ弾を使用すること。

<マーカー>
・色…黄色または赤色を、必ず両腕に一周巻く事。

<その他のルール>
・移動…戦闘服上下や装備をつけたままでフィールドまで来ないこと。また店などに行かないこと。
・運搬…銃は一部を含む本体をむき出しにして運搬しない事。また安全な状態にしておく。 
・試射…ゲーム中の試射は禁止。ゲーム中で無いときは主催者に指示された場所で、指示された方向に向かって撃つこと。 

金子:どうだい。比べて何かわかったかな?

知香:はい、ナイフアタックは人参軍レギュレーションではOKですが、泪橋レギュレーションは禁止ですよね。この場合はどうなりますか。

金子:この場合は、泪橋レギュレーションが優先されるので、ナイフアタックは禁止となります。
その他、もし差異がある場合は「より安全な方」「より低い制限の方」に合わせます。
例えば、余所で「弾数は1ゲーム300発まで」とか「使用弾は0.2g弾だけ」「初速90m/sまで」等のレギュレーションのゲームに参加した場合、このレギュレーションに合わせた弾数や初速の銃を使う事になるよ。

知香:わかりました。それ以外の大筋はほとんど同じですね。

カケル:そうなんだ。根本は共通する部分が大半だ。マーカー両腕着用やバイオ弾限定など、フィールドでの長い運営経験から追加された項目がいくつかある位の違いでしょ?
だから、人参軍の三大規律八項注意をきちんと身につけていれば、他チームのレギュレーションと言っても覚える事はホンの少しで済む。

知香:ホントそうですね。余所はどうなんですか。

林当家:余所でもほとんど一緒だよ。だから、初めてのところに行ってもあまり戸惑うことはないんだ。

カケル:さて、まだゲーム開始まで時間もありそうですし、続いて一般的なゲームの種類をご紹介しましょう。

紅中兵:おっと、朝礼が始まりそうだぞ。続きは次の章にしようか。

カケル:えっ、あっはい。では・・・


次章、フラッグ戦などよくあるサバゲのゲームルールについて、徹底解説!

サバイバルゲーム初心者・女性向けの解説

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