知香のサバゲダイアリー
−−−初心者入門講座−−−

初めてのお買い物 (第一章:東国立志編の2)

林:はーい、最初の店はここだよ。
ガンショップにはない服飾関連を、この軍装品店で調達しますからね。

知香:ゲームウェアって、ガンショップでも売ってますよね。

カケル:あるんだけど、物としては限定されてるんだ。一見いっぱいぶら下がってるみたいでも、迷彩柄が違うだけで作りは全部同じだったりしてね。
また、一見「サバゲユースを考えてます」な機能がたくさん付いていて良さそうに見えるけど、実は使わない・使えないものというのもある。

例えば、「M4用のマガジンが入るポケット付き」といわれても、AKやP90という銃を使っている人にはサイズが足りず全く無意味。
そして中には、実際にマガジンや小物を入れたら関節が曲げられないとか、走る度にバタ付いてじゃまとか、戦闘中取り出せなかったり、なんて事が往々にしてある。

たぶん、「こんなに工夫してます!」アピールをしないと他の商品と差別化出来ないから、アイデアだけで作っちゃうんだろうね。
そしてそのぶん価格も高いわけだから、我々としてはまずシンプルな上下と小物を揃え、追々好みが出てきたら自分に合った被服を調達してもらうのが良いという考えから、軍装品店に来たんだよ。

軍装品はいうまでもなく各国の軍隊が実際に使用している物・或いはその複製だ。
サバゲに特化した工夫なんかない代わりに、実際に多くの兵隊さんが使った実績の中から考えられているから、実に機能的だ。

ま、それも当然だけどね。「太股ポケットに入れたマガジンの成為で膝が曲げられなくてしゃがむのが遅れて射殺されました」なんて洒落にならないからな。

もちろん、マグポーチ等それ専用が便利な物は後々ガンショップに行くのでそこで選んでもらえば良いし、足りない物は作っちゃうのが人参解放軍の特色でもあるので、今日は本当に必要そうな物だけ買ってもらえば大丈夫だから。

知香:ふーん。何でも揃ってるから全部ガンショップで買うんだと思ってましたけど、そこまで考えてくれてたんですね。

金子:そう、我々が動く時は常に深謀遠慮あり。
ちなみに私のお勧めは緑1色の戦闘服だ。
価格も安いので惜しげ無くガンガン使って、ある程度慣れてくる頃には、自分のテイストがわかって来て1人で選べる筈だよ。

知香:でも、迷彩柄じゃなくて大丈夫なんですか?

カケル:実は、もっとも汎用性が高いのが緑の単色なんだ。迷彩柄ってタイガーパターンとかマルチカムとかウッドランドとか、いろいろとあるけどそれらは適合した地形だとばっちり姿が消えるが、外すと浮いた存在になっちゃう。

たとえば、最近出てきてアメリカ軍が正式採用したA-TACSでも、先日の森林内ゲームの時には濃緑の中で「あそこだけ妙に白っぽい」と見えてしまっていた。
逆にこの日は、普段だと「どこに行っても目立つ」と言われてしまう西ドイツのフレック迷彩が非常に効果を発揮していて、「やはり
欧州の柄は針葉樹林に合うね」と話していた位だ。

緑の単色はそういった癖がないぶん、どんなフィールド・季節でもそこそこの効果を発揮出来る。
まあ、全ての草木が立ち枯れる冬場以外だったら必ず緑のものはあるから、効果がないという事はまず無い。
目立つかどうかはそれ以前に立ち振る舞いに因るものが大きいんだけど、それはまた実戦で教えてあげるよ。

知香:へええー。

金子:カケル、言う様になったな。

カケル:なっ、なんすか!
そりゃあ僕だって人参軍の漢ですから。

金子:ははは。
勿論、自分が好きなもので戦ってくれて構わないので他の物を選んでも構わないよ。お店の中を回ってみて「これはどう?」というのがあったら声をかけてね。

そうそう、来る前に見てくれていると思うけど、ココも参考にしてみて

知香:はーい。・・・(物色中)
うーん、確かに緑に黒とか茶色とか黄色が入っているのって、「私は迷彩を着てます」ってアピール感はあるけど、どうしてこんなにカラフルな種類があるのかと思ったらそういう理由があったのね。

あら、この葉っぱの柄って・・・
林さん、これはどこの軍隊ですか?

林当家:あーこれか。これは軍用じゃない、狩猟用に開発された柄だ。なので、ある特定の地形や植生をそのまま描写しているんだ。

知香:これは効果ありそうですね。

林当家:んー確かに柄と同じ地形ならね。
でも、このシリーズって結構茶色系が強いから、普通のフィールドだとちょっと目立つんじゃないかな。それと、軍の放出品じゃないから値段も少しばかり高いと思うよ。

知香:なるほどー。適材適所なんですね。

(・・・知香、さらに物色中)

知香:すいませんー、これ、試着できますか?

店員:はい、どうぞ。お洋服の上から着てみて下さい。

カケル:むっ、マルチカムですか。の割に随分と安いな・・・ああ、複製品か。

知香:はい。実は好きなミリドルが着ているのをサイトで見ていて、これが欲しいと思っていたので。

金子:マルチカムだったら今が旬な迷彩だから、ガンショップのウエアにもたくさんあるけど、もう買っちゃう?
一回ショップ見てからまた戻っても良いよ。

知香:これは値段も手頃なので。
今日はいろいろ買わなきゃいけないから、安く済む物は決めてドンドン次に行きます。

紅中兵:おー思い切りが良いねー。その判断の早さはゲームでも活かされる筈だよ。

知香:(拱手抱拳礼)お褒めに与り、恐悦至極に存じます。

  林・金子・カケル:こっこやつ、出来る!

紅中兵:ほっほっほー。良いぞ、良いぞー。

金子:何を水鏡先生ゴッコしてるんすか。
さて、じゃあとは同柄の帽子と、靴・グローブを見ていこうか。

知香:帽子はこれって決めてたんですけど、どうですか?

カケル:ブッシュハットっすね。まあ、良いと思いますよ。

知香:次に靴は、あの大っきいのですよね。

金子:靴択びにはここも参考にしてみて下さいね。
一般的に、足の保護という観点からくるぶしまでの編み上げ半長靴、俗にジャングルブーツやコンバットブーツと言われる奴が主流です。

理由は、
・靴の中に小石やゴミなどが入りにくい
・靴底が厚いので小枝や釘等の踏み抜きにも安心
・足首を固定するので、ひねったりという怪我をある程度防止出来る

等に因りますね。
とはいえ、必ずこれでなければダメ、という事ではありません。

良く整備された有料フィールドでは自然手つかずのブッシュを藪こぎして進むなんて事はまずないでしょうし、産廃の中に紛れていた釘を踏み抜いたりなんて事も皆無ですからね。
目立たない色の運動靴等でも全然構いませんよ。

ちなみに、私は足袋靴(※1)にゲートルや臑当ての組み合わせを愛用していますが。

知香:何ですかゲートルって?

金子:分かり易ーい例だと、日本軍が脚に巻いてる包帯みたいな奴。巻き脚半とも言う。
臑部の保護と長時間歩く際に脚の疲れを軽減させる効果があり、ほとんど日本軍のイメージしかないけど、実は2次戦時にゲートルを使っていた軍隊は結構多く・・・

知香:うわっ何か憑依したっ!

紅中兵:おっ始まったね。イケイケデリーへ!

林当家:放っといて良いから。で、靴はどうするの?

知香:茶色のハイカットのバスケットシューズがあるので、それで良ければ買わないつもりです。

カケル:十分でしょー。ちなみに僕はゲーム用の靴を忘れてデッキシューズでやった事が何度かあります。

林当家:ありゃあ脱げやすいし小石とかもすぐ入っちゃうから勧められたモンじゃないけどな。
まあ、その位に何でも大丈夫って事で。
んーと、それじゃ靴はいらないね。
あとは、グローブ!

金子:はっ!どうしたオレ?
さて、グローブはむしろガンショップの方が種類も多いし安いのであちらで選んだらどうですか?

知香:はーい。じゃあそうしまーす。
あ、それとお店の中を見ていて質問がありました。
防弾チョッキみたいなのが結構ありますが、これ着てゲームしたりもするんですか?

カケル:そうですねー。コスプレの一環で着る人がいるけど、中身は防弾繊維じゃなくて軽いスポンジが入ってますね。
ただ、1枚厚手の物が加わることで弾に当たったのを気づかない事があるので、人参軍では極力遠慮してもらっています。

中には、「防弾チョッキに当たったのだからセーフだ」と勝手なルールでやっちゃう困った人もいますが、サバゲのルール上はどこに当たってもヒットですから、着るだけムダですよ。

林当家:そうそう。痛くないモンだからゾンビするのに利用してる輩もいるよな。
定例ゲームに行くとそういう胡散臭いのがゴロゴロいるよ。

知香:ぞっゾンビ?

紅中兵:後でまとめて説明してあげるつもりだったんだけど、この機会なので教えてあげよう。
サバゲのルールは「どこに当たってもヒットとして、そのゲームはオシマイ」なんだけど弾に当たったのに無視してゲームを続行する人をそう呼ぶんだ。

我々は他に「装甲の厚い人」とも呼ぶよ。
この場合、気持ち的には対戦車戦闘に移行。

金子:主席!内容が高度過ぎます。彼女は対戦車戦闘を経験したことがありません!

紅中兵:まあ、そんな相手に当たらなければどうという事はないんだけどねー。

カケル:それと、プレキャリ(プレートキャリア)等と呼ばれる、やはりチョッキの様な形状でマジックテープやMOLLE(モール)システム(※2)で好きなところに好きなパーツを取り付けて使う物もあります。

知香:サイトで着てる人の画像いくつか見ました。ミリタリーって感じでカッコ良いですね。

カケル:ところが、実際には暑いとか邪魔になるとかで1日ずっと使ってる人はそんなにいないんだよね。

コスプレだけ出来れば満足、そんなに動き回らないしゲット数も問わない、って人も中にはいるから、そういう人は着っぱなしかも知れないけど、ゲームでまともに動いてる人は段々と脱いでいって、結局はベルトに必要な物だけ通して使ってる。

また、そうやって軽装になった人の方が実は手強い。

知香:それはつまり・・・

林当家:買うだけムダムダムダーッ!
ま、サバゲにはコスプレ的要素もある。それをわかった上で使ってみたいならどうぞ。

でもプレキャリに被弾してもヒット有効だから、その点は注意してくれな。

カケル:まあ、今日は最低限ゲームが出来る装備を揃え、実際に何度かゲーム参加する中で「ここにマグポーチ欲しいな」とかが出てきてから、また買いに来るのもテですから。

知香:そうですね。夢は1つづつ実現させるのも楽しいですから、今日は見送っておきます。

紅中兵:うむ。それならば・・・
同志、あれを出したまえ。

金子:はっ!
下平ドノ、これは人参軍からのプレゼントです。

知香:このポシェットみたいなのは、何ですか?

金子;当チームオリジナルアイテムの1つ、人参軍雑嚢です。小物類を入れて携帯するのに使って下さい。
こうみえて、ちょっとしたタクティカルベスト並の収納力があるんです。
予備マガジン、予備銃、予備弾、バッテリー・・・専用のポケットも多数あり、全部入っちゃうんですよ。

知香:すごーい!これどこで売ってるんですか?

金子:人参軍購買部に注文すれば買えます。実はチームで作ってるんですよ。

カケル:こんなのは序の口ですよ。人参軍驚異の裁縫力は、ゲームの時にいろいろと見せてあげます。

林当家:さて、んじゃこの店はもう良いかな。知香ちゃん、次はガンショップに行くからお会計済ませておいで。

知香:はーい。行ってきまーす。
(思ったより買うもの少なかったなあ。お財布には優しいので助かったけど。浮いたお金でスイーツパラダイスに行こうっと!)


次回、いよいよ一行はガンショップ突入!


【解説】------------------------------------

(※1)足袋靴:地下足袋の靴底をした、簡易な運動靴形状の布靴。学生時代の上履きに近い感じ。作業着屋で千円前後で買える。
その気になればインドアで足音を全くさせずに歩く事が出来、安い上に丈夫なので2次戦中国軍の布靴代用として人参軍内での愛用者が多い。

(※2)MOLLE(モール)システム:小型のナイロンベルトを井桁状に交差させてホルスターやマガジンポーチを固定する仕組み。
取り付け位置の自由度の高さや、モールシステムを使用せずベルトに通す従来型の使い方も出来る事などから、装備の装着方法として最近の主流となっている。

サバイバルゲーム初心者・女性向けの解説

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