ゴドーと成歩堂の想像通り、抵抗はあったものの蕩けた成歩堂の肉襞は、一突きで半分以上ゴドーを呑み込んだ。
「ゴド、さ…っっ」
突如身体の内側に生じた熱に耐えかねて、ゴドーへと縋り付く。ゴドーが灼熱の原因だと知っていても、いや知っているからこそ、救いを求めて。
「クッ…そんなに抱き付かれたら、照れちゃうぜ。ほら、深呼吸するんだ」
成歩堂が自重で逃れられない事を承知しているゴドーは、両手を抑え付ける為ではなく宥める為に全身に這わし。
優しいキスを頭の頂きから額、鼻筋、頬、首筋、鎖骨へ降らし、少し上って再度耳朶をきつめに噛んだ。
「っく!」
意識が逸れた瞬間を見計らって、最奥限界まで楔が成歩堂を貫く。
「あ、ぅ……っ」
キリキリとゴドーの逞しい背中に指を食い込ませ、成歩堂は襲い来る痛みと紙一重の、肉襞を押し広げられる感覚を耐えた。
そう、それは耐え忍ぶべきものの筈なのに。
炎威の一瞬を乗り越えた後、成歩堂の窄まりは淫らに収縮し始め、ゴドーに更なる刺激を強請るかのような動きをみせる。
ゴドーが成歩堂の肉体の変化を、悟らない訳がない。
「腹ぺこなコネコちゃんには、たっぷり餌をやる。それが俺のルールだぜ」
淫蕩な隠喩を口にすると、ゆっくり、大きく、腰をグラインドさせた。
ピチャ
ピチャ、ン
ピチャ
「やっ…ん、んっ……っ、ぁ、ぁ…」
リズミカルな水音がするのに少し遅れて、水音にも負けぬ程濡れた喘ぎが、成歩堂の閉じられない花弁から零れ落ちていく。
ゴドーのスライドに合わせて、ぐらぐらと芯を無くしたかのごとく揺れる頭は、もはや愉悦に塗り潰されて。
だが、腰から下を熱い湯につけての情事は、体温を異様なまで上げていく。
「あ、っ…ぃ…」
口付けを何度受けてもすぐ乾いてしまう唇を湿らせ、成歩堂は嬌声の合間に呟いた。
ただでさえゴドー自身で成歩堂の内は容量オーバーなのに、挿送の度、僅かな隙間を狙って湯が浸食し、内からも外からも『熱さ』が成歩堂を苦しめるのだ。
「ゴドーさ……出た…い、で……す」
成歩堂はゴドーの腕を掴み、弱々しく訴えた。
ピシャン、と一際大きな波音をたてた後、ゴドーの動きが止まる。
尚も極限一杯に成歩堂へ分け入りながら、上半身を倒す。
「っあ…!」
いや増す存在感に仰け反った喉へ、一つ接吻を落とし。
ラインを確かめるような動きで顎まで辿ったゴドーは、カッチリ成歩堂と視線を合わせた。
「いいのかい? 出ちまうと、純白のベールが失われるぜ…?」
ただでさえ茹だっている頭では、ゴドーの示唆を掴みきれなかった。
尤も、『お湯から出ると、隠れている部分が見えちまうぜ』とはっきり告げられたとしても、おそらく成歩堂の返答は同じだっただろう。
「いい、か……はや、く…っっ」
掠れ始めている喉を振り絞って、見交わす眼差しに哀願の意を込めて、『許可』を与える。
――与えて、しまう。
次の瞬間、ゴドーは勢いよく成歩堂の胎内から退き。
その衝撃で軽く達して戦慄く成歩堂を、傍らに置いてあったバスタオルでやや乱暴にくるむと、抱き上げて部屋に連れ戻った。