知香のサバゲダイアリー
−−−初心者入門講座−−−

Cプレーの楽しみ方その1「賽は投げられた」

(引き続き、泪橋フィールドのセーフティにて)


知香:あ、皆さん立ち上がって用意を始めましたね。

林当家:そろそろ時間だからな。どれ、我々も戦闘用意!

カケル:知香ちゃん、銃とマガジン、そしてゴーグルは持ったかな?

知香:はい、全部あります。

紅中兵:今、組分けを聞いてきた。
我が軍は赤だ。マーカー用意!

金子:知香ちゃんマーカー持ってたっけ?

知香:はい、先日のお買い物の時に主席より頂いた錦の袋に入っていたのですが、これですよね。

カケル:Oh!人参軍マーカー!

金子:そうそう。赤・黄各2本ずつと白布のデッドマーカー入りなんだ。

知香:デッドマーカーって何ですか?

金子:ここでは使わないけれど、フィールドによってはヒットされたら戦死した事を示す為に白布を掲げてセーフティに戻る、或いは白布を掲げて現地点で死んだフリをするルールを採用しているところがある。その時に使うんだよ。

知香:へえー。至れり尽くせりですね。

カケル:そう、常に1歩先を行くのが人参軍さ。

紅中兵:本来は¥500で販売してるんだけど、たまたま残素材で通常よりちょっと小さくなっちゃったのがあったので、知香ちゃんにちょうど良いかと思ってサービスしたのだ。

金子:なるほど。良いタイミングで入隊しましたな。

知香:そうなんですね。でもサイズ、私にはちょうど良いですよ。

紅中兵:ならば良し!

カケル:我々のフラッグは奥ですね。既に移動を始めた人達がいますよ。

紅中兵:うむ。作戦は移動しながら検討するとしよう。
何はさておき、ゴーグルだけは忘れるなよ!

   全員:OKでーす。

金子:さて主席、今回の作戦は?

紅中兵:知っての通りこのフィールドを奥からスタートする場合、ルートは3つだ。

1、中央通路をまっすぐ突き進み、山に向かう
2、中央通路を途中から左に曲がり、フラッグへの最短ルート及びその右側のブッシュを制圧する
3、フラッグから右に大きく逸れ、大迂回ルートで山にアプローチする



さて、君ならどれを選択するかな?

金子:ここは初心者もいることですし、戦闘時の有利さよりもフォローのしやすさから3の迂回ルートを取っては如何でしょう。
激戦地への接近まで距離はありますがその分いきなり戦闘という事もありませんし、本道を外れる事から当たる敵の数も少なく、対処も容易でしょう。

紅中兵:ふむ。カケル、どうかな?

カケル:ボクは逆っすね。まず鉄火場を身を以て体験してもらってはどうでしょう。2のルートでブッシュをメインにした移動なら遮蔽物も多く、銃声の割に被弾する事も少ないので、サバゲ激戦地の雰囲気に触れてもらうには恰好なのでは?

林当家:いや、オレは1を勧めたいな。足の速い数名で隘路を押さえ、到着前に抜けてしまった数名を本隊で叩くといういつもの作戦だったら、人参軍らしい「連携プレー」を体験してもらえるんじゃないか?
知香ちゃんは本隊に入り、主席の指揮の下に最も火力が必要な地点に入ってもらったらどうだろう。

紅中兵:各員、初心者の事を中心にした作戦立案は素晴らしい。
私は、林当家の1がこの場合適切ではないかと思う。
これはいつもの王道作戦だが、普段やってるだけに皆流れは承知してるからどんなパターンになっても対処出来るし、先行部隊が敵を拘束・索敵する形になるので、その情報を元にした本隊での知香ちゃんのフォローや指導もしやすい。
2だとブッシュに紛れてしまうとフォローのしようがなくなってしまうし、そもそもブッシュは慣れてないとそちこち引っかかって機動もままならないんじゃないかな。
また、3は途中小川を渡る際に足を濡らす事になるし、移動距離は他の2案に比べ格段に長くなる割に交戦の機会が少ないので、「労多くして功少なし」の様に感じられる恐れもある。
しょっぱなからサバゲって疲れるだけの様な印象を与えてしまうのはもったいない。
従って、1を採用したい。皆はどうかな?

   全員:承知!

紅中兵:では割り振りを決めよう。
当家、私と共に先行し山への隘路を銃撃で封鎖。
同志金子は後続して本隊の指揮を。カケルは同志金子と本隊を構成し隘路を突破した敵の掃討と知香ちゃんのエスコートを頼む。

   全員:心得ました!

知香:最高司令官の主席が最前線へ?
本隊って3人だけなんですか?

金子:はっはっは。そうだね。私が説明してあげよう。
この作戦においてキモは、最初に交戦が発生する隘路口で状況がどうなったか、がとても大事なんだ。そこで主席は自ら押さえに回ると共にとっさに状況を判断し、後続の本隊に指示を出す為に最前線へと出る。
また、我がチーム以外の何人かは我々の後からついてくるから、本隊は3人だけじゃなくて、実際には10人程度になるんだよ。
それを見越した割り振りなのさ。

知香:へええー。緻密な計画があるんですね。ただ走り回ってバリバリ撃つものだと思ってました。

カケル:まあ、チームとはいっても単なるゲーマーの寄り合いではこうはいかないよ。知香ちゃんの言う通り、各自が勝手に出ていって思いつきで発砲して勝手にやられていくだけだ。
文字通り「同じ釜のメシを食う」、意気の合った人参解放軍だからこその作戦行動だし主席の指揮能力に負うところも大きいんだ。
とはいえ、我々は軍隊じゃないから1から10まで全部命令で縛られてる訳じゃない。あくまで自由意志による行動だ。
だが、全体の状況を把握した指揮者が適切な指示を行う事で、同じ10人でも烏合の衆と連携プレーの出来る10人ではまるで違う結果となる。
それをこれから見せてあげるよ。

知香:それは楽しみですね。

金子:この「チーム連携プレー」がしたくて人参解放軍に入隊したメンバーもいる位だからね。他チームからしたら羨ましいし手強いんじゃないかな。
ま、実を言うと個人々々の技量はそんなに高くないのだが、この集団技のおかげで個人の弱さがカバーされ、全体として良い感じになってるんだ。

ロナウド:んじゃ、そろそろ始めますよー。皆さん、ゴーグルよろしいですかー。

林当家:おっ、いよいよ始まるぞ。ゴーグルして。それから、銃のセーフティも解除して良いぞ。

知香:はっはい!

カケル:このゲームで初ゲット取らせてあげますよ。
ただし、以下3点を守って下さい。

1、発砲は指示があってから
2、味方の真後ろには付かない
3、味方の動きに合わせる

ちょっと説明すると、1は知香ちゃんはまだ自分の銃の射程がどの程度か把握出来ていないと思う。
見えたからといって、届きもしない距離で撃っても無駄弾になるだけだし、自分の位置や銃種をみすみす敵に教えてしまう事になるだけなんだ。
だから、この1戦は撃って良いタイミングをボクが教えます。
だけど、これは毎回してあげられるとも限らない。ゲームの合間に、試射エリアで練習して自分の感覚で掴める様になってね。
それと2は、敵に対して1直線に並んでしまうと後ろの人が見つかり狙われた時に、前の人も一緒に撃たれてしまう。
それに2人が固まっていると1人より目立つ事もあるので、なるべく3m以上離れて斜め後ろに付く様に。これだと敵が後ろの人を見つけて射撃を始めても前の味方に流れ弾が当たってしまう事を防げるし、上手くいけば前の人がそのまま横に移動していって反撃をする事も出来る。
とかく初心者のうちは敵に見つかりやすいので、せっかくのベテランを巻き添えにして共倒れしない様に気をつけてもらえれば、ベテランが反撃してルーキーを助け、逆転させる事も可能だ。

知香:わかりましたー。とにかくカケルさんの斜め後を付いて行きます。

林当家:おっカケル、責任重大だな!

カケル:はいー、とにかく出来るだけがんばりますー。
そして3、例えば先行するベテランが敵の気配を察して、かがんで動きを止めたとする。
たいていそういう場合はハンドサインとかで「止まれ」とか「身を低く」って合図をする事も多いんだけど、緊急時にはそれすら出来ない事もある。
そんな緊迫した状況なのに、後ろから来る初心者が右に左にフラフラしてたらどうなる?

知香:後ろの人が敵に覚知され、敵の警戒を惹起します。最悪は後ろの人もろとも前の人も撃たれてしまう。

カケル:その通り!
だから、後ろからついて行くというのは単に前の人を追いかけるだけじゃなく、前の人が何をしてるかを注意していなければならない。
しゃがんだのが見えたら自分もすぐしゃがむ。息を殺して隠れている時には自分がもそもそ動いたりしない。
極端な例だと、後ろの人が伏せた後に足の位置をちょっと変えた。その時に草を揺らしてしまい敵の掃射でその辺一帯にいた味方が全滅してしまった事もある。

知香:なるほど。連携プレーは一糸乱れぬ行動によって成り立つという事ですね。

林当家:大きく言えばそういう事かな。ま、カケルの言った3原則に注意していれば初心者でもベテランの足を引っ張る事はないから、一緒に行動しても負担にならないんで皆喜んで面倒みてくれるだろう。
そうやってついていくうちに、それ以外の動きも見ていて自然と覚えちゃうと思うよ。

知香:はーい。皆さんの動きから学ばせて頂きます。

ロナウド:じゃ、始めまーす。ゲーム、スタート!


次回、いよいよ作戦開始!

サバイバルゲーム初心者・女性向けの解説

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