その11 私と新大陸への道♪
その後、私は大陸まで連れて行ってくれるという人を発見。
その人と一緒に海を渡ることになった。
大陸へ続くダンジョンの中を、私のレベルでは倒せないモンスターを薙ぎ払ってもらいながら案内してもらった。
途中、異常にサーバーが重くて、勢い余って大量の蜘蛛に向かって突進してしまったり、扉を開けるのに手間取って、モンスターに囲まれながら殴られてあやうく死を覚悟しかけたり、
いろいろあったが、無事双子の地下都市を抜け、地上に出てからちょっと歩いて港町に着く。
このとき、船の乗り方を教えてもらい、船賃も出してもらった。
船に乗り込んでみたとき、私はビックリした。
とても大きい船で、何十人も乗れそうな広さがあった。
出航のアナウンスが流れ、ゆっくりと船が動き出す。
どんどん桟橋から離れていき、やがて周りは海だけになった。
船の中を見て回っていいと言われ、私はあちこちを見てははしゃいでいた。
後になって思えば馬鹿っぽい行動だが、あのときは本当に楽しかった。
飽きずに見て回っていると、出航したときと同じようにアナウンスが流れた。
船が港に着いたようだった。
「もっと見ていたかった」というのが本音だが、ここまで連れてきてくれた人を待たせるわけにもいかない。
しぶしぶ、船を下りることにした。
その人は初心者のサポートをしているらしく、ロンデニアへ戻るそうだ。
少しの間だけだったが、一緒に旅をした人がいなくなるというのは、寂しいものだ。
しかし、私がその人に言ったのは、謝礼の言葉とさようならだけだった。
そんなことを言っても向こうにとって迷惑になるだけだし、レベルも低く、ゲームのことも詳しくない私がそうそう一緒に行動などできるはずもない。
その人が去っていくのを見ながら、私もいつかああいう風になりたいものだと思った。
しかし、
ここまで世話になったというのに、
うっかりその人の名前を忘れてしまったヽ(゜▽、゜)ノ(爆
今回の教訓としては、
「人間、名前は残らなくても、行為は残る」ということである(o ̄∇ ̄o)