はなしの花

春の団扇は貴婦人仕様

ミズバショウ1
ミズバショウ2
イワウチワ
カタクリ 上から「ミズバショウ(1)」「ミズバショウ(2)」「イワウチワ」「カタクリ」。写真をクリックすると拡大されます
 首都圏のサクラはすっかりと葉桜となり、桜前線は順調に北上しているようです。今春は天候不順で、絶好の花見日和は少なかったように思われましたが、皆様は花見を楽しまれましたか?

 さて、筆者は今月初旬、箱根の「湿生花園」に行ってきました。

 狙いは「ミズバショウです。

 ミズバショウと言えば尾瀬。

 ♪夏がくれば思い出す… という「夏の思い出」の歌詞を連想する方も多いでしょう。

 しかし、夏に尾瀬に行ってもミズバショウは咲いていません。実際の開花時期は春です。

 尾瀬のミズバショウは過去に2度ほどチャレンジしたことがありますが、いずれも時期が遅かったため、満足な写真は撮れませんでした。

 今回は“ベストショット”を求めて湿生花園を訪れたのでしたが…

 ミズバショウの群生は見られましたが、残念ながら、肝心の花の具合が悪かったようです。

 キレイだなぁと思ってレンズを向けるのですが、よく見ると頬かむりのような「仏炎苞(ぶつえんほう)」の先が枯れていたりしていて…

 その代わり、長い間待ちわびていた「イワウチワ」に出会うことが出来ました!

 感激です!

 想像していたよりも大きい花でしたが、薄ピンク色の花びらは可憐で、上品。ゴージャスなオーラを発するあたりは、カタクリと双璧の“早春の貴婦人”と言えるでしょう。

 漢字では「岩団扇」と表し、岩場に咲くことと、丸い葉っぱを団扇に見立てられて名づけられたと言われています。

 岩場ではありませんでしたが、日陰に咲いていたため撮影は困難でした。しかし、貴重なコレクションが加わり、とても満足しています。

 狙いの花はイマイチでも、予期せぬ花に出会えてニッコリ。

 花の撮影の醍醐味の一つでもあります。

(4月20日 記)

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