「放射線ホルミシス」という言葉を世界で最初に使ったのは、当時、アメリカ、ミ
ズーリ大学の教授だったトーマス・D・ラッキー博士で、1982年のことでした。
ラッキー博士は、
「たくさんの量だと生物に害を及ぼす放射線が、ごく微量ならば、逆に、 生物に有益な効果をもたらす」
という研究成果を紹介し、それまで「放射線は、量が多い少ないにかかわらず、 すべて有害なもの」と信じ切っていた人々に、たいへんな衝撃を与えました。
分かりやすくいえば、
「量が多い場合には害(マイナス)を持つ物質が、少ない場合には、刺激 的(プラス)に働く」
という意味です。
つまり、放射線もたくさんの量を一度に浴びれば、さまざまなマイナス効果をも
たらして最悪の場合は死に至ることもありますが、ごく少ない量を時間をかけて 浴びれば、細胞を刺激し、免疫力を向上させて健康に役立つ、ということになり ます。
これは、決して難しい話ではありません。放射線を、水、塩、薬などという言葉に 置き換えて読み直して見て下さい。何の違和感もなく受け入れられるはずです。
塩という言葉で置き換えて見ましょう。
「塩も、たくさんの量を一度に摂れば、さまざまな、マイナス効果をもたらして、 最悪の場合は死に至ることもあります。でも、少ない量の塩は、人間の生命活
動に有益であるばかりかりでなく、なくてはならないものなのです」
つまり、放射線も、使う量と当て方さえ間違わなければ、人の健康に役立つの です。
平成15年4月、東京電力病院院長の土方氏を代表幹事とする「東京臨床ホル ミシス研究会」という学術組織が発足しました。
この研究会の目的は、その名の通り「放射線ホルミシス効果に関する臨床的検 討を行い、医学的・科学的にその効果を確認する」とあります。
つまり、この研究会が行おうとしていることは、医療機関と放射線ホルミシスを
実践している民間施設とが共同し基礎的な臨床データを集め、人における放射 線ホルミシスのこうかを確認しようとするものです。
今後、このような研究が進めば「放射線ホルミシス」という考え方は、ガンをはじ めとするさまざまな難病と闘っておられる方々に大きな光明をもたらすことになる のです。
出典:「玉川温泉の北投石
驚異的治癒力の記録」 監修:医学博士
高原喜八郎氏
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