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冊子「福祉のひろば 2008年5月号」に手記が掲載されました。

 


「走りたい!!」の夢を現実に 

モータースポーツバリアフリー協会
理事 佐藤和洋

 私たちの活動の話をする時に「障害者なのにそんなにスピードを出して大丈夫?」とよく聞かれます。
答えは「全然大丈夫ですよ〜」なのですが、まだまだ“モータースポーツは危ないもの”という認識は根強いようです。

例えば、高速道路は100km出しても安全に作られているように、サーキットは300km出しても危険が少ないように考慮されて作られています。
公道を走る方が事故の確率が高いので気をつけなければならないほどです。

 数ある競技の中でモータースポーツは健常者も障害者も“エンジン付の車椅子”に乗って競技することから
数少ない“本当の意味のバリアフリー競技”になる可能性があります。

 ただ、長年バリアフリーとは縁遠かったモータースポーツ界は、障害者の受入れに戸惑っているのも事実です。JAF国内ライセンスもすべてが認められているわけではありません。

その原因の根本は、

@ 健常者は障害者と話したこともなく “障害者”という言葉のイメージだけが先行し、
  どんな人間なのか、どこまで動けるのかがわからないし、聞く機会もない。


A 障害者側も具体的にどこまで出来て、どこからが出来ないのかを伝えていない。

要は“伝えていないから、相手はどうすればいいのかわからない”だけなのです。

 私たちの活動は“世間にアピールして誰かが何かしてくれるのを待つ”のではなく、自らが行動し、
障害者だからといって特別扱いを求めない“現実的なバリアフリー”を目指しています。
私たちは“普通”にモータースポーツがしたいだけなのです。

今後も国内・海外のレースに参加し、実績を積みつつ、
レースオフィシャルにも参加してレース運営側への障害者の認知を深めていく予定です。
安全面でも緊急時の脱出訓練を強化して、車両火災時でも健常者と変わらない早さで脱出できることを伝えていきます。

 私たちの活動は、どなたでも参加することが出来ます。
応援だけでも心強いかぎりです。一度サーキットに足を運んでゴールの感動を一緒に味わってみませんか?