少年とロボットの友情物語(2)



ジュリえもんはくら太の子孫が未来から送り込んできたロボットだ。くら太のような生活態度でいるとろくなことにならないから、なんとかくら太を更生させたいという願いを込めて。

ああそれなのに。私はその使命を果たせていない。この私としたことが…。

ジュリえもんはぐうぐう寝ているくら太を見やり、ため息をついた。
ところで話は少々脱線するが、ジュリえもんがどんな姿か説明しておくことにした。ガシャポンの守護聖様をご存じだろうか。あれが身長約130センチになった様をご想像いただきたい。今まで考えるのが怖かったからあまり深く考えずに書いてきたけど、○ラえ○んみたいにつるっぱげな頭を皆様に連想されるのは考えるだけで胸が痛むし、つるっぱげジュリアス様なんてたとえギャグでも作者的にはとても我慢できないから、誤解の起こらないようきちんと(?)描写しておくことにしたのである。ということで、ジュリえもん=ガシャポンジュリアス様特大版。だから髪の毛だってちゃんとある。でも前回「串団子」と形容しているので、丸みを帯びた体型(要するに太めってことか)。だいたいそんな設定で話を進めようと思う。(でもいくら髪があっても、身長130センチ、2頭身というド○○もん的プロポーションで憂い顔をしてみたところで所詮ギャグにしかならない気はするのだが。)

くら太が怠惰に寝こけ、ジュリえもんが暗い表情でため息をついていたところ、家の外から大きな声がした。
「くら太く〜ん遊ぼ〜♪」
誘いに来たのはこの辺では有名なガキ大将、アンジェであった。やりたい放題天下無敵の女王様のようなアンジェは、そのかわいさを武器に男の子たちを統率している(ってことは、「ガキ大将」という呼称はあまりその実体を表しているとは言えないような…)。天使の微笑みに男の子は弱い。くら太もご多分に漏れずアンジェのことがひそかに好きだったりするが、あくまで「ひそかに」だ。なにしろアンジェときたらきゃしゃな外見に似合わずやたらに腕っぷしが強い。アンジェに逆らう子がほとんどいないため自慢の腕っぷしを披露する機会は極端に少ないが、マジで強い。くら太が思いきって好きだって告白しても、それがアンジェの気に入らなければぶん殴られるかもしれない。くら太は面倒なことや痛いことは避けて通るという処世訓に従って生きている小学生だ。そう簡単に自分の生き方を変えたりはしない頑固者でもある。

だがなんと言ってもアンジェは金髪だからな…。

何を隠そう、くら太は金髪フェチなのだ。どういうわけか金髪というだけで惹かれてしまうものを感じる。なんでそんなに金髪がいいのか自分でもわからないが、こればっかりは仕方がない。その上アンジェはすごくかわいい。好きになるなという方が無理というものだ。だけど友達と群れて遊び回るのなんか嫌いだし、億劫だし、自分から面倒に巻き込まれに行くことはない。
「くーらー太ー!!! 出てきてよぉ!」
最初は殊勝に「くん」をつけて呼んでいたアンジェだったが、すぐに地が出た。男の子たちはみんな私の子分よ! と思っているからみ〜んな呼び捨てなのだ。そんなアンジェだが、毎日のように誘いに来るところをみると意外にくら太が気に入っているらしい。
外の声は大きさを増してきた。仕方なくくら太はもそもそ起き出すと、窓から下を見下ろした。金髪が目にまぶしい。
「あーっ! やっぱりいるんじゃない! 早く下りてきてよ〜遊ぼうよぉ〜〜〜」
くら太のくせにアンジェのいうこと聞かないなんてなまいきだぞー! さっさと来いよー!」
アンジェの腰巾着、マル夫もそばから叫んでいる。マル夫は気の優しい子だ。ただ、くら太に対してだけは言うことがきつい。なぜかっていうと、マル夫もアンジェが好きなのだ。だからいつもアンジェにくっついて回っているのだが、それだけに観察も鋭い。アンジェは自分には気がなくて、どうやらくら太が好きみたいだということに気づいていた。

くら太は顔はきれいだけど、怠けものだし忘れ物は多いし居眠りはするし成績は悪いし態度でかいし、取り柄なんてないじゃないか。なのにアンジェに好かれるなんて。ずるいや。くら太のくせになまいきだ!

というのがマル夫の気持ちだ。
「くら太ー、隠れたってムダよ!」
「早く出てこいよー! アンジェにたてつくなんて、くら太のくせになまいきだぞー!」
「…フッ…仕方がない…」
家でのんびり昼寝をしようとしても、たいがいこうなる。くら太はため息をつき、ジュリえもんを振り返った。
「タケコブタを貸してくれぬか?」
タケコブタとは子ブタの絵がプリントされた竹とんぼのような形状の、未来の道具だ。これを頭に装着すると飛ぶことができる。なぜ子ブタがプリントされているかは…理由知りたい? …単なるダジャレに過ぎない。
「なぜタケコブタが必要なのだ?」
「階段を下りるのが面倒だからな。タケコブタがあればそこの窓からすぐ外に出られる。」
「くら太っ!! 自分の足を使え! 毎度毎度同じことを言わせるな!!」
「ジュリえもんはけちだな。…よかろう、それではタケコブタを貸すか貸さぬか、ジャンケンで決めようではないか。」

けち!? 公正にして寛大、かつ友情に篤いこの私に対してなんという言いぐさだ!!
私は常にそなたのためを思って忠告しているというのに。そんな私の気持ちも知らず…。(むかむかっ)
親の心子知らずとはよく言ったものだ。…私はくら太の親ではないが…というよりは単に子守ロボットに過ぎぬが…。(ちょっとブルー)

感情面は人間並みに繊細なジュリえもんはブルーな気分になりかけたが、けち呼ばわりされて根本のところではむかっ腹を立てていたため、「望むところだ!!」と応じた。
にやり。くら太は不敵に笑った。
「「じゃんけんぽんっ!」」
かけ声とともに二人は右手を出す。

くら太、パー。
ジュリえもん、グー。
くら太の勝ち。

当然だ。この型のロボットの手はまん丸と決まっている。つまりジュリえもんはグーしか出せない。うかつなことに今になってその事実に気づいたジュリえもん、悔しさに頭をかきむしろうとした。でも丸い手ではジャンケンはおろか、かきむしることさえできない。大きな頭をぐりぐりなで回すばかりだ。ますます悔しそうな顔になってジュリえもんは叫んだ。
「おのれくら太、私を謀ったな!! 私の手の形状が丸いのをいいことに、じゃんけんでことを決めて好き放題しようと画策したに違いない。そこに直れ! その根性、叩き直してくれるわっっっっ!!!!」
あのさぁジュリえもん、ふつー、気がつくんじゃない? その手ではグーしか出せないって……。
外ではアンジェとマル夫が叫んでいた。
「ねぇくら太ってば! 早くきてよぉ〜」
「くら太のくせにーなまいきだぞーー!」




【おまけ:収録後のスタジオにて】
(ア=アンジェリーク、作=作者)

ア「なんで私がガキ大将なんですかぁ?」(半べそ)
作「ごめんアンジェリーク。ものすごく迷ったんだけど、これは文句なしにこの人! ってのがなくって。『ジャイアン』に一番音が似てるのが『アンジェ』だったから…」<だいぶ無理があると見た
ア「そんな理由で…ぐすん…」
緑「でも女王様なアンジェリークだったらぼくたちにいろいろ命令しそうじゃない? ぴったりかもしれないよ。」
ア「マルセル様、ひっどーい! 少なくとも私、守護聖様のことぶん殴ったりはしません!」
緑「それはそうだけどね。それより…ぼくはアンジェリークのこと好きだけど(頬染め)…ぼくの台詞……クラヴィス様のことあんなふうに言うのはちょっと…」びくびく。
光「気にすることはない、すべて真実だ。」
闇「(不機嫌そう)…誰が金髪フェチだ…」>作者をにらむ
作「アンジェリークもマルセル様もジュリアス様もみんな金髪ですよ、クラヴィス様。金髪包囲網、お楽しみいただけまして?」にまっ。
闇「………………………」むっす〜。
光「クラヴィス、それも『愛』なのだそうだ、そなたへの。」極上の微笑み。
緑「…(ぼそ)…ジュリアス様ってあんがい人が悪いね。」
ア「(ぼそ)クラヴィス様に鍛えられたんじゃないですか?」
光「そこ! 何をぼそぼそ言っている。言いたいことがあるのならばはっきり言わぬか。」
闇「私は帰らせてもらう…」
クラヴィス様、むっつりと退場。
光「待てクラヴィス、まだ話は終わっておらぬ。」
ジュリアス様、今回は自分の方がやや優位かもと思って機嫌良くクラヴィス様を追って退場。
緑「ぼくたちも帰ろうか。」
ア「そうですねマルセル様。でも今日収録したお話、まだ途中っぽいし、早くクラヴィス様と遊ぶシーンにならないかなぁ。」
緑「次はあんまり過激な台詞がないといいんだけど…。」
二人は仲良くおしゃべりしながら退場。
次はどうなるのやら?<「次」があるのか?



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