お題的掌編


待ち合わせ

(「せつないふたりに50のお題ver.1 16.ノスタルジー」の設定でお読みください)

午前中の昼休み前の二限目に私が取っている講義が休講だと知って、クラヴィスが「では昼休みに図書館で待ち合わせて、それからランチにしよう」と言った。クラヴィスは別の講義を取っていて、その時間は空いていない。ちょうど調べたいこともあったのでちょうど良いと思って承知した。
参考になる本を数冊借り出して閲覧室の個人ブースで読んでいたのだが、二限目が終わる鐘が鳴ったのでそろそろやってくるだろうと思い、図書館前に出た。

冷えると思ったら雪か。

あたりにはうっすらと雪が積もっている。雪化粧の大学もなかなか風情があってよいものだ、などと眺める余裕があったのは、10分ほどのこと。
冷え込んでいるために皆屋内に入ってしまったものか、休みの日でもないのにあたりには人影がほとんどない。寒い中で待たされて、なかなかやってこないクラヴィスに腹が立ち始めた。

昼休みにここで会おうと言ったのはそなたなのに……。
なぜ来ない?

最初は苛立っていたジュリアスだったが、20分、30分と過ぎても姿を見せないので心配になってきた。その心配を必死に押し殺す。

学内で事故などあったなら、これほど平穏ではないだろう。
ただ何かで遅れているだけだ。

携帯を取り出してみるが、着信はない。

遅い。これまで私との約束の時間に遅れることなどなかったのに。

心細そうにクラヴィスが来るはずの方角を見やったジュリアスの目に、ようやくその姿が捉えられた。

図書館前のジュリアスを見とめたクラヴィスが足を速める。
駆け出すジュリアス。
「待ちくたびれた」と呟く恋人を抱きとめて、「すまなかった、教授に呼び止められて話し込んでいた」と耳元に囁く。
「よい。そなたは来てくれたから」



L u n a r E c l i p s e の月様からの頂き物

サイトで拝見して萌えに萌えて熱烈ラブコールを送って、いただいてきました。添付のテキストは、このイラストを拝見しての妄想です。テキストはあくまでも添え物、主役はイラストってことで!



■BLUE ROSE■