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第二部以降の展開

<2>
劇場版から9年経ち、ついに原作の第二部がアニメ化となった。
発表メディアは旧作とは違いビデオアニメの形態だが、オープニング・
本編Aパート・本編Bパート・エンディング・次回予告含めて
一話20数分の全13話というテレビアニメ的なスタイルで作られた。

キャストは大幅に変更となったが、出崎統による総監修&絵コンテ、
杉野昭夫による作画で過去のアニメ版との違和感は微塵も
感じられない。位置付けとしては、旧エースや新エースでは無く
劇場版の続きと考えるのが良い。劇場版では最後まで一年生のままだった
ひろみが2では原作同様に三年生なので完全に繋がっているわけではないが、
劇場版の主要キャラクターのみで物語が構成されているので
劇場版では登場しなかったレイノルズ一家は2で初めて出会ったという形に
アレンジされていたりと、劇場版の続きを意識した作りになっている。

内容的にはほぼ原作通りであり、それ故に原作同様に第一部とつじつまが
合わない(・・・例えば、宗方の現役時代を藤堂も千葉もなぜか知っていて、
お蝶夫人に至っては宗方の選手生命が絶たれた事が自らのテニスの
モチベーションにすらなっている。第一部を見る限りそんな
話は全く無かったのだが・・・)部分はそのままだが、
高坂真琴の後を受けて熱演する水谷優子の気迫が素晴らしく、そういった
矛盾は思ったほど気にならない。特に宗方の死を目の当たりにする
ひろみの絶望と再起をプレッシャーに押し潰されずに演じきった彼女の
底力は見事というしかない。他の配役についても
旧作のイメージを崩しておらず、成功しているといえる。
もちろん個人的には旧作のキャストで2を見たい、という気持ちもあるが。

音楽は、「涙のリクエスト」等、チェッカーズの初期の曲を多数手掛け、
アニメでは「タッチ」で知られる芹沢廣明が担当し、
2のサウンドトラックとして「エースをねらえ! 総音楽集」が発売された。
これまでのアニメ版の主題歌も収録されているが、それについてはこちらを参照。

その完成度の高さから、日本アニメ大賞とオリジナルビデオソフト
最優秀作品賞を受賞した。1991年1月8日から4月2日まで日本テレビの
火曜日夕方5時〜5時30分の枠で全話放送された。
劇場公開もされたが、OVA完結より前に製作されたもので
宗方の葬式のあたりまでを編集した内容だった様だ。
もしこの劇場版がDVD化されればエースをねらえ!の映像は全て
発売された事になる。出ないだろうけど・・・

<ファイナル>
2が好評だった事で、その続編として作られた。

2とはうって変わってほぼ完全にアニメオリジナルな物語の展開となった。
出崎統は参加しているが、杉野昭夫が参加しておらず作画的に
やや2よりクオリティが低い事もあり、2ほど評判はよくなかった。

しかし、もともと原作もひろみが宗方の死を乗り越えてからは
それまでほどの魅力が感じられなくなってしまった事もあるし、
旧エースや劇場版に近い、登場人物が絞り込まれた2の続きで
ひろみの後輩達は一切登場していないという状況なので
例えば宗方の面影がある神谷裕をいきなり出すわけにもいかず、
アニメ版はアニメ版、として独自の決着をつけようというスタッフの
心意気は理解できる。特に、原作ではひろみが上達していくごとに
出番が少なくなっていく親友マキが、アニメでは演劇部に入って
活躍するところが面白い。

ただ、原作以上にひろみと藤堂の恋については
未消化ぎみ(好きだと告白してはいるが)で、そこが第一部より
のめり込めない理由のひとつといえる。

せめてクライマックスは原作と同じように、大悟の台詞で
締めてほしかった。個人的にはここが一番残念。

主題歌「NEVER SAY GOOD BYE」は森口博子のアルバム「Prime Privacy」に
収録されている「カリビアン・ブルー」の歌詞を変えて再録音されたもので、
オープニングに使用するためだけに作られたので1番しか存在しない。
エンディング曲「真夏のアリス」も同アルバムに収録されている曲で、こちらはそのまま
流用されている。また、音楽も2のものをそのまま使用している。
そのため、ファイナルのサウンドトラック等は発売されなかった。
「NEVER SAY GOOD BYE」は後に発売された森口のベストアルバム
「ETERNAL SONGS II」に収録されている。もちろん2番はない。



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