同性かつ検事と弁護士の間柄にもかかわらず、アレな仲になった二人が半同棲生活に突入してから、数ヶ月。
相手の事はよく知っていたつもりだったが、同棲を開始した後に初めて分かった事も幾つかある。
例えば、『いってらっしゃい』『お帰り』のキスをしないと眉間の皺を増やして、成歩堂が根負けするまで微動だにしないとか。『ペア』であれば、御剣の美意識から多少外れていても許容してしまうとか。
それから、御剣が結構なイベント好きだった、とか。
所謂『お付き合い』期間中も、やれバレンタインだのホワイトディだの、クリスマスに誕生日だのと、ブルジョワらしい派手で金を惜しまない演出をしていたのだけれど。
それとは別に、週に一・二度記念日と称して小さな花束やちょっとした贈り物を持って帰ってくるようになったのである。