ミツナル

elegante




 勝手知ったる、御剣の家。家主が不在でも、成歩堂はソファに寝そべって寛いでいた。
 御剣はどうしても外せない付き合いがあるとかで、成歩堂だけ先に訪れたのだが、予定では間もなく帰ってくる筈。
 カチャ。
 成歩堂がリビングの時計を確認したのとほぼ同時に、玄関側のドアが開いた。
「あ、お帰り・・・」
 起き上がりながら声をかけた成歩堂は、しかし途中で固まった。
「待たせたな、成歩堂。ム? どうしたのだ? そんなに凝視して」
 幾分疲れた表情をした御剣が、それでも成歩堂に笑いかけ、こちらは成歩堂の反応に首を傾げる。
「いや・・珍しい服装だな、と思って」