出会った時から、ずっと恋して。
愛に昇華したのは、いつ位だったのか。
とある県の合同庁舎で講演と会議の予定があり、御剣は1日の出張を任じられていた。
講演が30分で会議が2時間なので、本来なら日帰り出張になる筈だったが。如何せん、そこは新幹線とローカル線を乗り継いで片道5時間かかる程、アクセスが悪く。飛行機を使用しても空港からの道程が長くて、30分位しか短縮できないのだ。
開始時間は、午後3時。東京へ帰るだけなら日付変更前ぎりぎりに到着するけれど、お役所もそこまで非道ではなく、現地での宿泊を許可していた。
東京から将来有望なエリートが来るとの事で、上役が勢揃いして上へ上への持て成しをし。行程終了後は盛大な宴会をと申し出ていたが。御剣は勿論、すっぱりきっぱり断るつもりだった。
その意志は、思い掛けない形で達成される。