耳朶を甘噛みした時に、胸ポケットからロケットを。
顎のラインを舌でなぞりながら、背広をソファの背もたれへ。
ネクタイを緩め、シャツの襟で隠れていた部分に朱い痕を一つ。
その次は少し飛んでベルトを外し、スラックスの前を寛げる。
「ちょっ――んっ!」
抗議の声は、深く重ねた唇で封じた。しばらくは文句や罵りと覚しきくぐもった呻きが口腔一杯に響き、御剣を押し退けようと腕や胸が叩かれたが、伊達で激務の合間を縫ってトレーニングしている訳ではない。
大した邪魔にもならず、早々に滑り込ませた手で成歩堂の分身を弄び併せてキスを激しくすると、呻きは鼻にかかった喘ぎへと変わっていった。