たかが、入れ物。されど、入れ物。 細部にまで拘った豪勢な作りは、宝石箱のようで。それを包んでいた透かしの入った和紙も、ヴェルヴェットのリボンも中身に負けず、尚且つ一層引き立てる一流品だった。 素材やら仕立てやら価値やら、一応所長の肩書きを持っていても未だ庶民レベルの成歩堂には殆ど把握できないけれど。それでも、この箱の中に本当の宝石が納められたとしても、全く遜色ない事くらいは、分かる。