たとえ、日中は炬燵布団が邪魔で蹴飛ばしてしまう程、暑くても。
吹き渡る風はカラリと乾いて心地よく。朝晩は到底半袖では耐えられない位、冷え込んだ。
うっかり、冬布団を干すのを忘れ。未だ成歩堂は夏掛けで寝ていた。1枚綿毛布を増やしたものの、寝入りはどうにも寒くて風邪を引きかねない。
いっそ炬燵へ移動しようか―――炬燵を心底愛している成歩堂は、10月になったと同時に設置した―――と考えつつ。けれどほんの少し暖まった布団から出るのも億劫だし、電気代は跳ね上がったし・・・とウダウダしている内に眠りへ引き込まれ。