「――っ…」 鋭く、空気が動いた。 その後に忍び込んできた冷気と、抑えてはいるが短く荒く繰り返される呼気に覚醒を促されて、成歩堂は重い瞼を持ち上げた。 「ゴドー、さん…?」 「――――すまねぇ。また起こしちまったかい?」 呼び掛ければ、覿面に揺れる身体。ゴーグルを外しているゴドーの手は少し彷徨ってから、成歩堂の背を優しく撫でた。