「ん・・」
キスの始まりは、いつも躊躇いがち。奥に隠れようとする花弁を誘って、導いて、捕まえて、羞恥と共に少しずつ咀嚼する。
「・・ァ・・」
何度してもどこか初々しさを残すのも、好ましいし。
忘我の内に成歩堂からむしゃぶりついてくる事もあるが、それはそれで美味しいし。
理性から本能への接吻に変わる過程もまた、捨てがたい。
さて、今日はどんな趣向で攻略していこうかと頭の隅で考えていたゴドーの肩を、トン、と指が叩いた。おそらく酸素不足になった成歩堂の、無意識な仕草なのだろうが。
ゴドーには、呼びかけられているような気がして。
だから、応えた。