ふわり、立ち上る。 とくり、跳ね上がる。 深い、秘境の森へ降り注いで大気を潤す水滴。 ゴドーと違って、詩的な表現を得意としない成歩堂が何とか捻り出した、フレグランスの形容。強烈な個性を持っていてそう簡単に真似できない所は、ゴドーそのもの。 「ゴドーさんだから、つけてもオカシくないんだって・・」 ボールペンを動かす度。 書類を捲る度。 何もしなくても。 セクシュアリティが強すぎる、と常々感じている香りが成歩堂の嗅覚を刺激する。ゴドーがいないのに。