「邪魔するぜ、まるほどう」 「ああ、ゴドーさん。お疲れ―――へ?」 出勤してきたゴドーに挨拶をしようと振り返った成歩堂は、間抜けな声を出した。 すらりと伸びた長身を更に超す、というより覆い被さる見事な枝振りの『笹』に驚いて。 「わぁ、すごいですっ」 「すごいね、春美ちゃん!」 が、いち早く歓声を上げて笹の元へ走り寄った真宵と春美の姿に、ゴドーの意図を悟る。真宵達を溺愛しているゴドーは、久々に事務所へ来る日がちょうど七夕だったから、喜ばせようとわざわざ持参したのだろう。