「成の字よォ・・娑婆では何時から、こんな珍妙なものが出回るようになったンだ?」 飼っている鷹よりも鋭利だと噂されている双眸を『それ』へ据え、夕神は低く問い掛けた。 「あっはっはっ、僕も初めて見ましたよ。でも夕神さんお気に入りの菊廼舎ですから、味は大丈夫だと思います」 勝手知ったる他人の家、で。一応訪問者にもかかわらず、家主の為に濃い緑茶を煎れていた成歩堂が苦笑する。