日  程 2005年5月9日〜10日
地  域 北アルプス 不帰1峰尾根 山スキー
メンバー 一本松(記録)・橋本

5月8日夜神戸発、白馬道の駅で仮眠。
八方ゴンドラは今日9日から一時運休とのことで二股から入山することにする。林道を自転車で行く計画がタイヤがバーストしてしまい歩くはめになってしまった。発電所を過ぎたあたりから雪面が続くがでこぼこなのでスキーは担ぎ、つぼ足で進む。南滝は右岸を巻く。

奥ノ二股付近に差し掛かった頃から雲行きが怪しくなり今にも降りそうな空模様。今日中に1峰尾根に取付き、できれば断壁を越しておきたかったが、やむなく計画変更。奥ノ二股にBCを置き、翌日できるだけ早く出発してワンデイで登ってBCに帰ってくる計画に変更する。

テントを設営し終わった頃に雨は降り出した。テントの中でさっそく宴会。ほろ酔い気分でそのまま就寝。2時半起床。雨は夜半まで降り、途中から雪に変わった。

4時半、小雪の中をシールを着けて出発。
P1、P2のコルに突き上げる沢からはスキーを担ぎアイゼンに履き替え登る。コルからザイルを着けコンテで進む。
P3はスタカットで行き断壁基部に到着。想像していたより支点がない。残置ハーケンは少なく、基部に一本とハングの下にお助けひも付きの一本があるのみ。残置ハーケン連打だろうと考えていたのだが甘かった。ハーケンは持っていたが打ち足すところが意外とない。クラックが多いのでカムナッツを2〜3個持って来てたらと後悔。しかたがないので覚悟を決めて登る。結局アブミは使わず、しがみついていたお助け紐ともさよならして、ハング下を左に廻りこんでテラスに出た。
そこからは不安定な雪稜、雪壁、残置ハーケンがいっぱいある露岩、垂直の藪漕ぎと緊張が続く。ルートがなかなかわからない。雪が止まず風がでてきた。とても寒い。下界方面は日があたっているのに、見上げると鉛色の空。まるでここは冬山だ。昨日から降り積もった雪が雪面をより不安定にしているのか僕たちの技術が下手なのか(たぶん後者)、なかなかスムーズには進まない。とくに藪でスキーが引っ掛かり悪戦苦闘。
結局1峰尾根支稜とのジャンクション付近2300mで午後3時(遅い)。頂上はあきらめ、支稜の西側にある1・2峰間ルンゼに落込む沢を下りることにする。

少しスタカットで下り、雪庇をビレーしてもらって崩したのち、スキーをはいてドロップイン。昨日からの雪で上部はパウダー気味の快適な急斜面。1・2峰間ルンゼに合流するあたりからデブリの斜面になり疲れる。唐松沢に合流してまずまずの斜面を一気にBCまで帰る。
よほど風が強かったのかテントのアンカーが三つ飛び、土嚢袋で取っていたアンカーだけでかろうじてもっていた。
テント撤収後18時下山開始。南滝を巻くところで日没。用心して懸垂で巻く。真っ暗の唐松沢をヘッドランプを頼りに下山。湯ノ入沢のスノーブリッジもうまく渡ることができ(暗いからよくわからなかったが、渡ってからよく見ると薄く、ぞっとした)、21時二股着。

22時まで営業の倉下の湯に直行。白馬道の駅で反省会、「1峰尾根は我々にとってはスキーを担いで登れるほど甘いルートではない。来年はスキーを持たずに頂上まで行こう」と反省しながらビールを飲むが、白馬の町でもダウンジャケットがいるぐらい寒かったので、もし今ごろビバークしていたら・・・と思うと来年のことは未定にしょうと内心思った。

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