日  程 2004年8月12日〜16日
地  域 長野県 湯川&小川山 フリークライミング
メンバー 梁瀬・戸叶(8/13のみ)・河野(記録)

お盆フリー合宿の日記です。一応、クラック&マルチ強化のための合宿だったんですが。

8月12日(木)
朝6時半頃尼崎出発。お盆の渋滞にはまり、眠くてもやはり昨晩出るべきかと早くも出鼻を挫かれる。それでも昼頃には川上村に到着。
当初小川山の予定であったが、アプローチ等考えると時間的にあまり登れないため、湯川に直行することにした。

岩場は貸し切り状態。(わざわざお盆に来る人もいないか。)暑さが心配だったものの、雲が出て日差しがあたらなかったので、随分ましだった。

●コークスクリュー 5.9
まずこのルートでアップ。前回よりも楽にリードできた。

●バンパイア 5.10c
前回も書いたが、めちゃ格好いいルート。湯川に来ることがあれば、今度は絶対リードしようと思っていた。恐れ多くも、初めての10代リードトライ。下部がシンハンドなのだが、私には場所を選べばバッチリ効く広さで、意外と落ち着いてリードすることができた。上部のハンドは面白いほどきまり、自分でも驚きの一発RP。もうこのまま帰ってもいいほど嬉しかった。
今まで苦痛でしかなかったクラッククライミングが、やっと少し面白くなってきた。

●北京の秋 5.10b
ヤナッチOS。フィンガークラック。クラックを抜けてからはこけこけと汚い。TRで登らしてもらう。頑張ってノーテン。

●サイコキネシス 5.10c
ヤナッチ再RP。前回TRでも全く歯がたたなかったが、今回はひーこら頑張ってノーテン。厳しい。とてもプロテクションセットするような余裕なし。

テレポーテーションのハチの巣は未だ健在。クラックから凄い数のハチが往き来している。

灯明の湯でほっこりし、ストローハットで腹ごしらえし、食料を買い込んで廻り目平へ移動。
23時頃到着したが、案の定テントを張れるいいスペースが見つからない。散々歩き回って、少し斜めになったところに我慢して幕営。

8月13日(金)

朝、大越さん発見!結構近くのいい場所に幕営されていて、空きスペースにテントを移動させてもらった。(ありがとうございました!!)しかも豪華なキャンピングセットがあって、ちゃっかり毎日お邪魔させてもらった。

帰京のついでに小川山によるのか、小川山のついでに帰京するのか??の戸叶さんと朝合流し、小生の希望でまず親指岩へ。

●小川山レイバック 5.9+, 5.9(2P)

まずはこの1本が登りたかった!今から5年位前か、ヤナッチが蜘蛛の糸をRPした次の日、暇になったのでクラックもまともに登ってない自分がいきなり初リードOS、今から思えばなんちゅう無謀な事をしたんだろうと思うのだが、果たして今登れるか、ちと不安であった。
今回はせっかくなので、フルピッチ登ることにし、1P目は小生がリード。足をもっと開けば楽なんちゃうん?、と自分でも思うような体勢でクラックを登り、上のスラビーな所にのっこした所で体固まる。ぎえーっスラブなんて長いこと登ってへんし、恐いっちゅうねん!テラスまでの3mほどのスラブ、傾斜は緩いんだがびくびくしながらビレイ点へ。
とかちゃん、ヤナッチとフォローでテラスにあがり、2P目はヤナッチトップ。フィンガートラバースから「岩に導かれながら」最上テラスへとのっこす。
親指岩のてっぺんは広くて周りがパノラマで開けており、素晴らしい眺め。このルートは是非とも2P登ってここに立つ価値あり。

昼前になったが、はたまた小生の希望により、わざわざ妹岩へ移動。

●カサブランカ 5.10a

小川山レイバックの次はやっぱりこれでしょう。
3年ほど前か、TRでさわらせてもらったことがある。ハッキリ言ってクライミングになってなかったけど。言わずと知れたこのルート、いつ見ても美しい。
とかちゃん、登るならOS目標でとりつきます!ということで、果敢なトライ。落ち着いた登りで見事オンサイト!!
ヤナッチが登ったあと、私もリードトライ。いっぱいギアぶら下げて取付くものの…。出だし悪すぎ…。ジャムが全然きまらないし、体勢が不自然になるし、足はミシン踏み始めるし、ホントにこのままつっこんでいっていいのか?!下からは「降りる?」と悪魔の囁きが聞こえるし、でもせめてダイクまで行きたい!「もうちょっと頑張ってみる」と奮闘しダイクまで這い上がった。ふうううう、一安心。
下部の悪さに比べると、ここから始まる美しいクラックは、フレアしているものの、まだ登りやすいと感じた。何とか無事登り切る。一発で行けると思ってなかったので、これも嬉しい1本となった。

この後、とかちゃんが卒業試験を登りに行く。10前半ながら、フェースの面白いルートらしい。今度行ってみよう。

●ジャックと豆の木 5.10b/c

パピヨン2P目が登りたいというヤナッチが、1P目に選んだ。ヤナッチの登りを見ていると、そんな難しいように見えないのだが、いざフォローで登ると、めっちゃめちゃ悪いやん!!根性でノーテンで登った。とかちゃんが続いてフォロー、狭いテラスに3人が集結する。上にはパピオン2P目のうすかぶりのフレークが続くが、結構悪そう。しかし、ここまで登ったものの、時間がそろそろやばいかも。
ということで、結局ヤナッチもトライをあきらめ、懸垂で降りた。

この日、大越さんチームはセレクションに行って来られた。最後の2ピッチがしびれるらしい。ヤナッチは一度行ったことがあるものの、最後のこの2ピッチを登っていない。マルチはどこか行きたいと思っていたので、前から行きたかったセレクションに翌日行くことにした。

8月14日(土)

とかちゃんが帰られたので、ヤナッチと2人でセレクションへ。昨日は空いていたそうだが、取り付きで2パーティー待ち。週末でもあるので、仕方ないか。
準備して待っていると、ちょうど1P目をフォローで取り付こうとしている方が、かなり苦労されている。5.8の短いクラックなのだが、ちゃんとジャムを決めないと登れない。だが、恐らくクラックを登ったことがないようで、クラックに足や手を全く入れようとされていなかった。全然登れないので、カムにA0しようとすると、カムが小さかったようですっぽ抜け、また取り付きまで落ちてしまった。何度やってもダメ。このまま永遠にもがいてはるのかと思ったら、今度は待っているパーティーの方に「スイマセン、後ろから押してもらえますか」と。結局、そのパーティの方がもう少し大きいカムを貸してあげて、何とかA0で抜けられた。
大人気ルートだけあり、いろんな方が取り付かれているし、渋滞するのも仕方ないなあと、改めて感じた次第…。

後は簡単に。
1P目 短いクラック。
2P目 渋いスラブ。久しぶりに小川山らしいスラブを堪能。
3P目 ちょっとしたチムニー状のところをバック&フットで登る。短いけど面白い。
4P目 クラックスタートは結構厳しい。左からフェース登りでも行ける。
5P目 確かに、知らなければ絶対あんな所トラバースしない!!高度感もあり、短いピッチだけど面白い。抜け口は匍匐前進。
6P目 真上のクラックからスラブへ。クラックは見た目より広く、スラブへの抜け口がちょっと悪い。
     先行Pのフォロワー、ジャミングが苦手らしく、「力技でいきます!」と一声。てっきり力技って突撃レイバックのことかと思いきや、そのまんまゴボウであった。訊けば、自衛隊のレンジャーとのこと。納得。

セレクションはクラック、フェース、スラブ、チムニーと各ピッチ短いながら色々なクライミングが出てきて、面白い。これがこのルートの人気にも繋がっているんだろう。今回は各ピッチでかなりの渋滞待ちがあったので、それがちょっと残念であった。

終了点からは、前のパーティーの方と60mロープを連結して懸垂し、懐かしのジェットストリーム取り付きのところまで一回で降りれた。

中途半端な時間になってしまったので、あとは隠れた好ルートといわれるコグレ大サーカスを登って帰る。

8月15日(日)

朝から雨。昼頃止んだが、ダラダラレスト日とする。
明日どうするかが全然きまらない。瑞牆にも行きたかったが、あまりゆっくりもしていられないので、ヤナッチが希望する最高ルーフに行くことにし、小川山に残る。

8月16日(月)

●最高ルーフ 

キャンプ場からも顕著に見える水平クラック。
取り付きで準備していると、先行パーティーの方が降りてこられ、何と核心ピッチにハチの巣があり、2P目で断念したとのこと。えっ!?またハチの巣かいな…。気合い入れていたので、ちょっと拍子抜け。せっかくここまで来たので、別のルートを登った。

●笠間のピンキー 5.10c〜最高ルーフ2P目 5.7

笠間のピンキーは下部がクラック、上部がスラブという異色ルート。ルート自体、結構短く、クラックも短い。ヤナッチがOSした後、リードトライ。1回目はフィンガー部分でフォール、2回目トライでせっかくクリアしたのに、上部のスラブでずり落ちる。もー!!!へぼい!3回目のトライでRP。
私がRPできた時、ヤナッチがフォローで登って、最高ルーフ2P目に合流。ハチの巣の状態を確認すべく、3P目取り付きまで登った。確かに、ちょうど水平クラックに移る手前くらいに、丸いハチの巣ができており、出入りしているのが見える。あれじゃ絶対無理。3P目は、格好いいけどかなり難しそう。今度登りに来るまでには、もっと上手くなっていたい。

●ノーリターン 5.9+, 5.10c(2P)

最高ルーフ核心ピッチが登れず拍子抜けのヤナッチが新たに近くの岩場で目標再設定。1P目は大フレーク、2P目は奇麗なフィンガークラックだ。
クラックは、あまりグレードに関係なく、難しいものは難しい。ヤナッチの1P目の奮闘的ドロドロクライミングはビレイしているこちらまでハラハラしてしまう。フォローして実感、めちゃくちゃムズイ。ほんま、リードせんでヨカッタ…。
2P目は結構あっさりと(と見えた)ヤナッチOS。フォローの小生は、1P目の回収フォローで既にくたくた状態で、せっかくの奇麗なクラックもテンションの嵐で回収マシーンと化したのであった。

懸垂で降りた後、TRでヤナッチがちょこっとバナナクラック11dをさわる。激ムズらしい。ヤナッチ曰く、「この岩場にはもう来ることはない…」

結構いい時間になったので、これにて合宿終了。

少しはクラックに慣れてきたかな、という感じにはなってきた。まだ全然へぼいけど、クラックも面白くなってきた事は今回の大きな収穫だった。

以上長々と失礼しました。

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