日  程 2004年1月18日&25日
地  域 兵庫県 小赤壁 フリークライミング
メンバー 波多野(記録)・魚留/梁瀬・西村・河野(18日のみ)

2週連続で小赤壁に行ってきました。山友達のうおちゃんから、熱いラブコールを受けたからでした。うおちゃんは、クライミングを始めて一年、登りに行きたくて行きたくてたまらないのに、一年間クライミングを教えてくれていた人が自転車にはまってしまったとかで、登れなくて困っているらしいのでした。
小赤壁は、以前行ったときは、クライミングシューズのゴム底に、風化した岩の結晶がぽろぽろぽろぽろとくっついて落ちるので、それがすごく気になって、おっかない岩場だなーという印象があったのですが、久しぶりに行ったら、結晶が落ちなくなっていました。訪れるクライマーが増えて結晶が落とされたからなのでしょうか??

18日は、無風、雲一つないような青空と明るいお日様で、あまりの暖かさに、暑がりの私は半そでで登れるくらいでした。ほかに3組くらいクライマーがいました。
この日、身近なところでちょっとした事故がありました。ABCを登るうおちゃんをビレイしているときでした。ドンという鈍い音が聞こえたのです。後でわかったのですが、「イルカはおるか」を登っていたクライマーが1本目をとる前に落ちてしまったのでした。そして、その直後には、隣の「ブラックメルセデス」を登っていた同じグループのクライマーとビレイヤーがその事故に気を取られてしまったらしく、クライマーがテンションをかけたと同時に、ボルト2本分くらいロープがスルーンと出るのが、うおちゃんをビレーしていた私の視界の端っこに見えました。不用意な体勢でぶらさがることになったクライマーは体のどこかを打ったようでうなっていました。ビレイヤーがしきりに謝っていました。幸い2人ともたいしたことはないようでしたが、ちょっとしたことが事故になるなあ、怖いなあと思ったできごとでした。

18日は、こうちゃんとやなっちも(あとから西村さんもちょっとだけ)一緒でした。
やなっちが「もうすぐ上高地をオンサイトできなかったら、一本さんのことを一本様〜とお呼びしなければならぬのじゃ」とプレッシャーをかけるので(?)、私なぞはもちろんのこと、こうちゃんですら「もうすぐ上高地」にとりつくことができませんでした。でも、実はこうちゃんは、易しいのでアップしたあとは、11dのにトライしていましたけど。
私は以前登ったときにカムをじゃらじゃらぶらさげて楽しくリードした「イージードライブ」以外は、どのルートもビビってちゃんと登れなかったという印象が強いので、リードに不安があったのですが、やってみたらいろいろ登れたので非常に嬉しかったです。
特に以前全くお話にならなかった「コケコケ」のレッドポイントがとても嬉しかったです。ほかに「イルカはおるか」「ブラックメルセデス」「ABC」「がらっぱち」を登りました。「がらっぱち」は、ワントライめにテンションが入って、ムーブを探ったのですが、きっちりムーブを解決したと思っていたのに、いざこうちゃんとやなっちが見守ってくれる中で登ったら、ただただカチホールドに手を飛ばすといった動きで登ってしまいました。うーん、あんなはずじゃなかったのに、、、、。ぷるぷるしながら〜、、、、ぱっ!、、、、ぱっ!と手を出す動きはデッドというにはほど遠い動きでございました。

25日は、天気に翻弄された日でした。予報では寒波到来、ただし晴れるというのでした。うおちゃんが「この時期の寒さで小赤壁が登れるかどうかのサンプルになるよね〜」というので小赤壁に行くことにしました。うおちゃんはあくまでモチベーション満々で、私も嬉しいのでした。

朝起きたら滋賀県は予報どおりの抜けるような青空だったので、これはいけるかもと喜びながら7時の電車に乗って三宮駅についたら、青空はどこへやら、雪がちらほらしていました。滋賀でさえ晴れていたのになぜ??と思いながら待ち合わせの八家駅についたら、雪はかろうじて止んでいて、風もそんなには吹いていませんでしたが、でも、やっぱり晴れ間はなく、空はどんよりとしていました。
すごかったのは、堤防を越えてからでした。海岸にでたら、海のほうから風がビューーーって猛烈に吹き付けてきました。そしてさらには、どんよりした空の下では、どんよりした色の波がザッパーン!!ザッパーン!!と繰り返し打ち寄せていました。歩道を歩いていると打ち寄せる波で濡れてしまうので、岩をへつって歩かなきゃならないところもありました。
こんな日に来るのは私たちだけか、、と思っていましたが、岩場につくと、なんとクライマーが4人いました。先週も見かけたクライマーでした。顔を見合わせてお互いににやっとしました。とにかく波が強く、とても下からは「ブラックメルセデス」よりむこうには行けないような気がしました。「イルカはおるか」の左に置いていた荷物は波しぶきで濡れてしまうくらいでした。大きな波の音が何度も岩にぶつかり、舞い上がった波しぶきが大気中に溶けているような感じで岩場の前の空気がは白っぽく湿気たようになっていました。風もかなり強くて、岩も冷たくなっていました。うおちゃんと私は、せっかく来たのだから、せめて1本登ったら帰ろうかと言っていたのですが、1本ずつ登ったらなんだか元気がでてきて、もう1本登ったら帰ろうと言って、、もう1本ずつ登ったらますます元気がでてきて、しばらくして、4人のクライマーは「根性あるね〜」と言い残して帰ってしまいましたが、うおちゃんと私はなぜかちっともモチベーションが下がらないのでした。

しかもなんと、2本のアップが終わるころには、天候が好転して、晴れ間が出てきました。それでおもしろいと聞いていた「播州レイバック」を登りに行きました。あいかわらず波は高くうちよせているので、またも岩をへつりました。
近くで見る「播州レイバック」は、なるほど私の苦手なレイバックって感じで、しかもボルトは粉をふいたように白くなっているような気がしてびびったのですが、手がかりのホールドはなんとか続いているみたいだし、そのホールドの左側は傾斜が少し緩くなっているようなスラブだったので、なんとなくムーブがイメージできたので登ることにしました。(このイメージが裏目に出なくてよかった)
今日はヌンチャクを回収してくれる人がいないぞというので、最初、1本目を足場のいいところでかけたあと、上のほうにある2本目のボルトを見上げて、あの2本目かけたら行くしかないよーというプレッシャーをかなり感じたりもしたんですが、えっへっへ、無事オンサイト。いーい気持ちでした。
「播州レイバック」を登り終えるころには、天気だけでなく、だんだんと海がおだやかになってきました。それからは、午前中の大荒れが嘘のように、日が暮れるまで晴れました。さすがに18日ほどは暖かくはなかったのですが、午前中のことを思うと天国でした。「タジヤン40」も登ったのですが、上部のところがちょっとボルダーちっくでおもしろいと思いました。

2日間うおちゃんに終了点のセットや結びかえなどについて説明したのですが、今まで私は人に教えてもらうばっかりだったのに、初めて説明するほうの立場になったので、あたりまえにやっていることの意味をあらためて考えなおしたり、いろいろ勉強になっているのを感じました。

おしまい。

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