日  程 2004年1月3日
地  域 兵庫県 小赤壁 フリークライミング
メンバー 梁瀬・一本松(記録)

とりあえず、イレブンが登れるようになったらフリーをやっていると言えるかなって誰かに言われた時、とりあえず、4時間を切らないとマラソンをやっているなんていえないよと言われたことを思い出した。本当はマラソンならサブスリー、フリーならツエルブを登れてやっと胸を張って言える事とは思うが、それははじめから無理な話なので、昨年、僕のフリークライミングの目標を、イレブンをオンサイトする事と決めた。

練習をはじめてからわかったことは、同じ5.11aでもかぶっているルートは歯が立たないがホールドが細かくても前傾していないフェースならなんとかなりそうだったので、以来パンプでの練習も西面の壁ばかりを登るようにした。そして昨年11月、備中長屋坂の「スプリング」5.11aをオンサイトすることができた。

つぎの目標は小赤壁の「もうすぐ上高地」5.11aをマスターでオンサイトする事に決め、正月3日小赤壁に向った。昨日戸台から帰ったばかりで足の爪がまだ痛く、疲れもあったのでオンサイトには不利なので延期しようかとも考えたが、とても行きたい気分だったので思い切ってトライする事に決めた。

まずイルカオルカ5.9でアップした後、トップロープで、がらっぱち5.10dに取付くがまったく歯が立たない。しまった。えらいところに取付いてしまった。登る前から感じていた事だが、部分的に難しいムーブがある5.10c/d台は(パンプのルートでも同じことが言えるが)僕の苦手とするところである。何となく気が弱くなった。10台が登れないのにイレブンにトライする資格などあるのか?まだ時期尚早なのでは?と次第に気分が滅入ってくる。

とりあえず、ルートのある場所まで行ってみる。時間をかけて眺めていると、なんとなく行けそうな気分になってきた。やはり頑張ってトライする事に決めて、もう一度じっくり眺めた。そして心すべき要件を頭に叩き込んだ。
1.落ちた時のことを考えて躊躇しない(このルートは危険な要素が少ないので思い切って行こう)
2.レストできるところでは十分休む(腕の筋力が戻るまで粘ってレストする事)
3.途中でムーブの間違いに気がついたらもとに戻る。
4.落ち着いてルートファインディングする事(ホールドを見逃さない)

壁に集中するあまりクリップし忘れそうになったけれど、オンサイトできた。終了点で思わず「ヤッター」と叫んだ。
ビレーをしてくれたヤナッチから祝福のハイタッチ。子どもの頃のように、恥じらいもなく、無邪気な自分がそこにあった。

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