日  程 2003年4月6日
地  域 新潟県 頸城 笹倉温泉〜焼山 山スキー
メンバー 藤田・西村・一本松・大西(HMC)・鮫島・河野(記録) 画像はこちら

4月の第1週、珍しくフジッコが土日とも休みであるのに合わせて、2日間で妙高杉の原スキー場から火打山を経て、陰火打から焼山北面台地に滑り降り笹倉温泉で汗を流すというゴールデンコースを計画した。いつか行きたいと小さな胸に大きな思いを抱きつつ、もう5年がたった。やっと今年行けるぞお!

が、無常にも天気予報は土曜日が雨。喧喧諤諤の議論のあと、結局日曜日帰りで焼山一本に絞ることにした。焼山というと、一本さん、大西さんは2年前に2度挑戦し、いずれも時間切れで敗退しており、今回はリベンジ戦となる。

21時、彦根ICで神戸組と合流し、糸魚川へ向かう。笹倉温泉から少し手前のふれあいセンター軒下をお借りして、テントで仮眠。
5時起床、天気はまだ曇っておりすっきりしない。6時には出発したかったが、結局6時半スタート。

出発は笹倉温泉を過ぎて少し登った除雪最終地点、小さな橋を渡ったところになる。堰堤を左に見て暫く行くとつづら折れのしんどい坂。先行パーティーがいるようで、トレースはしっかりついていた。ありがたい。アマナ平までだらだらとした所を歩いていく。

…ん、何かさっきからヘリの音するよね、しかも何度も。結構近いよね、雲ってて見えないけど。ひょっとして、焼山ヘリスキーの集団ってこと…、大いにあり得る。よりによって今日かよ〜くっそ〜!

だんだんと雲が晴れ、青空が見えてきた。そして突然、焼山が目の前に現れる。おお、すごい。真っ白な斜面が飛び込んできた。
げげ〜誰も滑ってないあのぴかぴかの斜面を、えっちらおっちらラッセルした我々の先に大集団が滑るのか?ゆるせん、撃ち落とせ。
と思いきや、ヘリはの左の尾根の途中でホバリングし、そこから帰っていく。尾根に人がいるのが見える。ありがたいことに、全然違うコースだったので一安心。なんせ200人というとんでもない人数が滑るらしい。

広い台地に出た。正面に焼山、左には火打と陰火打、右には昼闇山、ぐるりと周りは銀嶺の世界。すごいすごい、圧巻である。歓喜の雄叫び止まず。頂上まではまだまだというのに、何だかすっかりシアワセな気分に浸ってしまった。

そこから焼山頂上を目指す。先行パーティーそのまま正面へ進み、頂上へは向かわず途中から滑降をはじめていた。焼山は火山の溶岩跡で地形が複雑、頂上に行くには台地からは見えない右方の肩を目指し、賽の河原を渡ることになる。
相前後した2人組のパーティーとラッセルを交替しつつ、黙々と登る。しんどいがとにかく素晴らしい景色で、足をとめては景色に興じ、また一歩を踏み出していく。

2000m手前で、先の2人組はつぼ足に。私以外みんなつぼ足になって2050m付近まで登る。自分はスキーアイゼンで行けるところまで行くつもり。
溶岩跡のある手前の狭い平らな場所で、2人組は予定時間になったので、と下山された。
ここは一本さんが前回敗退された所。ここから上は氷化していてスキーではやばそうなので、板をデポして頂上を目指す。時刻は既に14時近く、あと標高差300m、時間的に結構きつい。

少し登ったところで、今回アイゼン歩行が2回目だった鮫島さん、大西さんと西村さんとともに大事をとってデポ地へ戻る。残り3人で、時間の許す限り頂上を目指す。氷化していたのはデポ地から暫くの間だけで、その上は新雪が積もっており、予想外のラッセル。スキーを持ってきた方がよかった。

14時半、頂上着――三角点のある頂上は、岩壁の向こうになるので、北面の一番高い所まで登った。そこからは金山、雨飾山をはじめ、駒ヶ岳、明星山、めちゃくちゃ魅力的な真っ白な斜面が一望できる。最高、最高、カンゲキ。

労をねぎらい写真をとって、デポ地まで下る。寒い中、3人とも待っていてくれた。

さてさてさてさて、お待ちかね、とうとう焼山北面の滑降だ。
つぼ足で登った所は斜度がきつく、みんなぽてぽて転けていたが、いい斜度になってからは、もう、がははの世界。ちょっと重いがパウダーでうはうは。

そこまでターンしんでもええがな、っていうほど皆さん細かいシュプールを描く。いつもながら、がははで滑り下るのはあっという間。もったいないというか儚いというか、でもこの一瞬の快楽のために、しんどいことも我慢できるんだ。

傾斜が緩くなった広い台地で一休み、こんな素晴らしい所で遊べることに感謝しつつ、何度も振り返って焼山を心に留めて、台地を後にする。

そこからは斜度もなくてあまり滑る楽しみはない。こんなに長かったっけ、と思いつつ、最後のつづら折れに突入。このあたりはザラメ雪になっていて、ああ春がきたと改めて実感。春特有のザラメ雪は、結構滑りやすい。

17時、駐車場着。焼山温泉で汗を流す。ああ、このままここで泊まって帰れれば…。20時、糸魚川ICから帰路につくが、すぐに眠りに落ち、起きたら彦根だった。え?しかも23時半。げ、一度も休憩、交替なし。実は行きも、フジッコがトイレ行きたいと進言したので休憩はあったが、大丈夫ですから、と運転手の交替はなかった。帰りもそうだったらしい。ノンストップ鮫島さん、毎日会社と自宅を往復80分ランニング、カヤックとクロカンを愛する恐るべし体力と覚醒力(っていうの?)を備えたすごい方だった。

☆☆
このルートはとにかくロケーションが素晴らしい。日程に余裕があれば、広い台地でテントを張って、色んな美味しい斜面を滑りまくるのもきっと楽しいだろう。
NYの福西特派員、焼山お先に行ってしまいまいした。ごめんねえ、でもそっちでもっとすごい所に行ってるし、いいよね。妙高〜火打経由のコースは残しているので、早く帰ってきてね。

おしまい。


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