日  程 2002年6月1日〜4日
地  域 長野県 小川山フリークライミング
メンバー 梁瀬・河野・藤田(由)・藤田(誠&記録)

  小川山に6月1日(土)〜6月4日(火)まで行ってきました。今回は4日間ということで、ガンガン登るということはなく、のんびり楽しもうという予定でした。

6月1日(土)

 キャンプ場に午前6時前に入る。テントを張り、もう一眠りする。9時頃?に起き出して、カメラを持って散歩に行くと、ヤナッチがテントから気だるそうに顔を出しているのを発見する。どうも、暑くて寝ていられずに起き出したようである。河野会長は蒸し風呂状態のテントの中で爆睡中であった。
 さて、朝食を済ました後、どこに行くのか、なかなか決まらない。我々は4日間滞在するので、土日は2人の希望の場所に行くつもりでいたが、2人ともあまり強い希望はないみたいで、結局リバーサイドに行くことになった。

 リバーサイドには、3人パーティがブラックシープ(5.9+)に取り付いていた。我々はアウトオブバランス(5.9)でウォームアップする。続いて、私は、ジョコンダ(5.10d)にトライする。

 ジョコンダ(5.10d)・・・昨年は、あのヤナッチと河野会長を退けた、恐怖のルート。核心部のボルトの位置が恐怖を倍増させる。私は決死のトライで見事オンサイト。サワッチはリードで果敢に挑戦するが、核心部で何度もフォール。ついには頭を下にしたフォールで戦意を喪失し、退却する。河野会長は、核心に行くためのホールドにギリギリ手が届く状況で、真横で見ていてコレは無理かと思っていたが、みごとRPしたとのこと。ヤナッチは・・・・・・。

 時の踊り(5.10c)・・・ブラックシープを登りたいのだが、ワンパーティがルートを占領し続けているので、河野会長が「時の踊り(5.10c)登っておくれ」とのたまわれたので、ヤナッチが取り付く。でだしが悪い、というか危ない。その後も木にランジするは、スラブでランジするはと、ヤナッチの登り見ていて、「何という恐ろしげなルートや」と、やる気を喪失してしまう。それでも、ジョコンダで凹んだモチを立て直すために、サワッチは果敢にリードでトライするが・・・やはり途中で敗退し、さらにモチベーションを下げてしまう。私も当然、惨敗。登ってオクレとのたまった、当の会長本人は、それらを見て、登らないと言い出すし・・・・・・・。

 ブラックシープ(5.9+)・・・すごくよく出来たルートだと思う。私は去年オンサイトしたのだが、とても楽しかった。4星の小川山ストーリよりも、こちらの方がムーブがあっていいルートだと思う。河野会長、ヤナッチとも問題なくOS。問題は、去年このルートで死にかけたサワッチである。でだしが悪いので、3人全員でスポットする。昨年は私1人だけでスポットしたため、1ピン目をクリップする前に落下したサワッチの下敷きになった。今回は心強い。しかし、そんな心配をよそに、無事に下部をクリアーし、上部も苦労しながらも、なんとかRPする。

 BUNBUN(5.11b)・・・去年触ったのだが、最終クリップが怖くて、私は封印したルート。ヤナッチにぜひと奨める。OSは逃すが、さすが2撃で落としてしまった。残念。

 ランデブー(5.11a)・・・OSを狙えるかとおもったが、結構難しく、3撃で落とす。


6月2日(日)

 のんびりと起き出し、朝食を取り、行き先を決めようとするが、前日同様、なかなか決まらない。以前ヤナッチから、小川山らしいクライミングは、クラックとスラブだ〜!と教えて頂いたので、じゃあ、おむすび山スラブに行きましょうと提案した。しかし、おむすび山という、ほんわかした名前と裏腹に、スラブの怖さを思い知らされることになるとは、その時は思いもよらなかった。

 無名ルート(5.10a)・・・まず私から取り付いたが、でだしが厳しい。イレブンくらいのムーブが要求される。そこを越えると、普通のスラブだが・・・。スラブに慣れてない私は途中で気力が持たず、降りてしまいました。ヤナッチ、河野会長はRP。昨日凹んでしまったサワッチはトップロープで登った。

 リメンブランス(5.10c)・・・ヤナッチがOS。私、会長、サワッチはトップロープで登りました。やはり、スラブのランナアウト部が怖そう。

 といわけで、スラブばかりのおむすび山から尻尾を巻いて逃げ出し、去年行ったソラマメスラブに移動した。

 甘食(5.10b)・・・終了点手前のクリップまで快適で、やっとスラブの恐怖から開放されたと思いきや、甘かったと思い知らされルート。いちよ4人とも一撃。

 三色すみれ(5.10a)・・・サワッチが去年に引き続き、RPを狙う。リベンジ成功。

 帰ってきたタジヤン(5.11b)・・・去年、雪のちらつくなか奇跡的にRPした思いで深いルート。ボルトの位置が良い位置にあって、そんなに怖かった印象は無かったのだが、RPトライする河野会長によると、やはり怖いらしい。下部のハンガーが外されており、1ピンがかなり高い位置にあるみたいなので要注意。会長は惜しいところまで行ったようだが、悲痛な叫び声が響き渡っていた。

 スラブの逆襲(5.11c)・・・イレブンCのスラブなんて怖すぎると思っていたので、いきなりトップロープで取り付くが・・・怖くないし、いけそうな感じ!。ヤナッチも加わって、RPを狙う。今回、一番盛り上がったルート。ボルダーをやってるような感じがした。ここで、ヤナッチが開発した、新しいフットムーブは大変有効であった。ヤナッチが先にRPし、大いに焦ったが、何とか最後のトライでRPした。

 今日で河野会長、ヤナッチとお別れである。会長はかなりお疲れ気味みたいで、無事に帰宅できるのか心配であった。お気を付けて。

 我々は2人を見送った後、急いで風呂に向かったが、キャンプ場の客は7時までと、あっさり断られてしまった。残念。

 
6月3日(月)

 今日はサワッチの行きたい所に行こうと提案すると、母岩のパンピー(5.10c)を登りに行きたいと言う。すいている平日になんで母岩?とも思ったが、パンピーと聞いて納得した。昨年、初めて小川山に行ったとき、ライバルの波多ネーがOSしたというパンピーを登りにいったのだが、あえなく返り討ちにされたのだった。ライバルが登ったルートはなんとしても落としておきたかったのだろう。岩場に着くなり、マスターで登る!と気合を入れて取り付いたのだが・・・すぐにテンションがかかり、さらに上まで抜けることなく降りてきた。そして「私、もう登らへん」とふて腐れてしまった。「トップロープかけるから、もう一度やってみいや」と言ってもヘンコになったまま。ちょっと登れないとすぐに機嫌を悪くするサワッチに対し、私もだんだん腹が立ってきて、「だいたいチョコッと触ったぐらいで登れるわけないやろ!」とブチ切れた。その勢いで、ナチュプロ&ボルトのルート、悪妻賢母(5.10d)に取り付いたのが間違いだった。
 
 悪妻賢母(5.10d)・・・1本目と2本目のボルトの間にロックスがきめられるみたいなのだが、未熟な私にはどこにもきめることが出来ず、超ランナウトの恐怖を味わった。難しくはないのだが、恐怖で体がガチガチに。それでも何とかOS。面白くなかった。

 悪妻賢母の上部はパンピーと同じルートなので、トップロープで登れるから、パンピーを登るようにと再度奨める。シブシブ登りだしたサワッチだが、私の的確なムーブ指導で、上部まで解決し、次のトライでRPする。そらみろ!

 登攀のすべてデラックス(5.10c)・・・これもナチュプロ&ボルトのルート。悪妻賢母より怖そう。でも、看板ルートと紹介されていたので登ってみた。見た目と違い、快適な登りで、プロテクションも取り易い。ムーブ自体は5.10aも無さそう。ルートが長いため、上部で異様に重いロープに絶えながら体を上げていくのが核心か?ハアハア言いながらOSする。このルート、面白いのか、面白くないか良く分からない。

 昨日から強く感じていたのだが、どうもスラブに弱すぎる。もう一度、いちからスラブのフットワークを練習したほうが良いだろう。それなら、あのルートしかない。そう、ジャースーである。時間は無いが、移動する。

 ジャーマンスープレックス(5.10b)・・・昨年、RPしていたのだが、久しぶりに登ると・・・「いったいどうやって登るの〜!」と叫びたくなるルート。なんでこれが5.10b?とも思う。それでも、ピン間隔が近いので、簡単にトップロープを張りに行ける。トップロープで何度も登り、スラブ感触をつかむ。やっぱりこのルートは面白い!小川山に行ったら、まずこのルートでスラブに慣れることをお奨めします。

 この日は早めに切り上げ、久しぶりの風呂で疲れを癒し、最終日の熱い登りに備えた。
 

6月4日(火)

 いよいよ最終日である。今日は、私の行きたい所に行く。目的は、妹岩にあるカサブランカ(5.10a)をRPすること。そして、スラブ状岩壁にある水曜日のシンデレラ(5.11a)をOSすること。

 レギュラー(5.10b/c)・・・これもサワッチが昨年登れなかった課題。昨日に懲りたのか、いきなりマスターで登るとは言わず、トップロープをかけてくれと言うので、ウォームアップで登る・・・つもりが、テンションの嵐でした。これが楽に登れれば、彩花(5.10c)にもOSトライしようとすけべ心を持っていたが、断念する。サワッチはトップロープで探った後、RPトライ。いつものごとく、一生懸命に探ったムーブと違う登りで、登っていく。途中、手順を間違え、ダメかと思ったが、粘り強く登っていく。手前の終了点を越え、奥の終了点手前で動きが止まった。そこはスラブなのだが、少し登っては戻りを繰り返している。5分が過ぎ、10分が過ぎ、辛抱強い私も我慢できず「何してんのや!行かへんのやったら、降りて来い!」と怒鳴ってしまった。しかし、何の返事も無く、じっと動かない。??おかしいと思い、少し上に移動してサワッチの様子を見てみると、レギュラーをまたいでかけられたトップロープが邪魔で動けないみたいであった。これは、我々のあとからやって来た中年3人パーティがイレギュラーとブルースパワーをトップロープで登るため、一本のロープがレギュラーを横断して掛けられたものだった。平日で悠々と登れるとはいえ、こんなマナーのない奴らがいるのかと呆れる。わざわざRP狙うためにヌンチャクが掛かっていることぐらいクライマーなら当然分かるであろうに、そのルートを分断するようにロープを張るなんて。どうしてもトップロープがしたいなら、2本張れば良いものを!。しかも、サワッチがRPトライしているのに、トップロープで登り始めるとは!。腹が立ったので、「そのロープが邪魔なのかー!」と大声で言ったのに、謝りもせず、そのままトップロープで登り続ける・・・・。結局、奴らが登り終わるまで、強風吹きすさぶスラブでサワッチは耐え続け、なんとか無事にRPした。

 カサブランカ(5.10a)・・・有名なクラックルート。昨年、トップロープで探っておいたが、いざリードするとなると、かなり勇気がいる。ナチュプロってホントに止まるのんだろうか・・・。今回の山行の私のメインイベント。気合を入れて登る。このルートはフットジャムを上手く使えば快適に登れ、面白い。苦闘の末、みごとにRP。まさしく奮闘した登りだった。

 届け手の平(5.10c)・・・昨日のジャースーで鍛えたスラブのフットワークを試そうと、取り付く。核心部ではまりかけたが、スラブではあまり使いそうもないムーブ?で切り抜け、OS。

 水曜日のシンデレラ(5.11a)・・・昨年、登りたかったのだが、1ピン目があまりに高い位置にあるので、怖くて取り付けなかったルート。だから、ずっと気になっていた。今回、キャメロットがあるので途中で取ってやろうと思っていたが、結局有効な場所が見つけられず、ほぼ1ピン目まで登ってしまった。このルート、3星ルートだけのことはある。下からの見た目は悪いのだが、ライン取りがすばらしく、登っていてワクワクする。いたる所で休め、ムーブもさほど難しいものはない。核心部はけっこうやばかったが、強引に登りきり、イレブンAおんさいと〜!有終の美を飾ることができました。


 今回はあまり目標を立てて行かなかったので、ちょっともったいなかったかなとも思いました。次回、行くときはもうちょっと明確な目標をもって行きたいと思います。


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