日  程 2000年7月22日〜23日
地  域  大峰 白川又川 火吹谷
メンバー 梁瀬・河野・藤田(由)・藤田(誠・記録)

まず、いきなり結論としては、敗退です。様々な要因が重なって敗退となるわけですな〜。

 アプローチ

 白川又川林道は、川の右岸を大きく高巻いて通っている。川から200m程上にあり、気楽に下降地点を見い出すことが出来ない。ホームページ等に、アプローチについて書かれていたのだが、プリントアウトして持ってきてはいない。林道は途中から未舗装になり、あちこちが崩壊しそうな感じである。実際に、崖崩れにより行き止まりとなる。ここからは、沢なんて全く見えない。おお、こんなところから無事に降り立つことができるのか。降り立ったところが手の付けられないゴルジェだったらどうしよう、という不安に駆られる。この地点で、結構まいってしまう。第2案に変更といきたいが、誰も代替案を考えてなかった。取り敢えず車を止め、朝食を取ると落ち着いてきた。まあ、行くだけいって、ダメなら引き返そう。どうも私の場合、このパターンが多いので、敗退が多いのだろう。のんびりと出発の準備をして、林道を終点に向かって歩く。どこから降りようかな〜、と。

 さらにアプローチ

 さて、林道終点に着くと、道らしきものが谷に向かって下っている。植林用の道にも見えるが、取り敢えずこれを下る。途中、鍋が切り株に被せてあるところで、道が二手に分かれている。ハイキングマップに載っている道だとすると、フジノトコは右に行かなければならないのだが、右の道は上から降りてきていて、その先が途切れているいるように見え、本当に道かどうか不確か。左の方が明確に道を主張していおり、不安定な精神状態が、梁瀬氏と私に左の道を選ばさせてしまった。実は正解は右の道。これが敗退の原因1。
 左の道は谷に降りそうで、なかなか降りない。これでは、どんどん目的地から離れてしまうので、強引に藪の斜面を下り、中ノ又谷に降り立つ。なかなか綺麗な沢だ。しかし、ここは目的の沢でなく、一旦下って本谷に戻り、火吹谷出合いまで本谷を遡行しなければならない。さあ、いそいで沢靴に履き替え、出合いまで下らねばと思っていると、梁瀬氏がフライロッドを組み立て、釣り始める。出発前は、「こりゃ、竿なんか出してられんぞ〜」と言っていたのに・・・。これで時間をくったのが、敗退の原因2。

 中ノ又谷下降

 中ノ又谷を下り始めて直ぐの大きな淵に飛び込む。キョーレツに冷たい。これだけ冷たい水は、川浦谷以来。これが敗退の原因3。
 とにかく出合いまで下ろうと言うことで、どんどん下るも、なかなか着かない。それでも、問題なく下っていけるので、あさっり出合いに出られるかな〜と、薄暗いゴルジェの中を下っていくと、いきなり大滝で行く手を阻まれた。目的地の本谷は、遙か下にある。下の様子次第では懸垂で降りればいいのだが・・・。万事急須である。どうしよう!・・・つづく。

 白川又川 本谷遡行

 滝を飛び降りればすぐなのだが、二度と浮いてこれないだろう。右岸に巻き道用のロープがはってある。これを利用して巻き降りる事にする。これが結構な、大高巻きとなる。落石を起こさないよう、何とか出合い下部に降り立つ。
 やっと本谷の遡行開始し、火吹谷出合いへ向かう。しかし、いきなり20m程泳ぐ泳がなければならない。河野さん、梁瀬氏、サワッチと泳ぎ、私はロープに引かれて通過する。あまりの冷たさに途中で力尽きそうになる。
 出合いの滝を越えて昼食。12:50。この先、火吹谷出合いまでは、小滝ばかりで楽々と、ガイドに書かれているらしいので、一安心。しかし、実際には結構時間がかかる。右に、左にとルートを取りながら進む。通過不可能な10m程の滝は右岸を巻く。火吹谷出合い間近の、小滝は左側が登れそうな気がするが、泳いで取り付かなければならない。しかし、ゴルジェの中は既に暗く、どうも泳ぐ気がしない。後で判明したが、取り付けば、充分登ることが出来る。仕方がないので、左岸を巻くが、小滝のくせに、結構イヤな巻きとなる。その後、すぐに火吹谷出合いとなる。
 出合い付近はゴルジェから解放され、明るい渓相となる。ここで15:00。果たしてこのまま、突っ込むか、やめとくかの選択を迫られる。遙か遠く、車で5時間、せっかくここまで来たのだから、源流まで見届けたい。遡行図を何度も見ながら、15分間。ん〜、やめときましょう。

 泊まり

 そうと決まれば、後はお気楽タイム。梁瀬氏と、私は釣りに、河野さんと、サワッチは薪を集めに。薪集めの二人はなかなか働きものである。何度も行ったり来たりしながら、大量の薪を集めていた。バキッ、ボキッと、河野さんが空手チョップで薪を折る音が、谷間を渡る。梁瀬氏は、ワザと釣らないフライを一生懸命振っている。私は、ウィンナーやハムと一緒に、釣りエサを家に忘れてきてしまったので、エサ探しから始める。石の裏に大きな川虫をゲット。火吹谷の淵で流すと反応あり。何度か流して、待望のアマゴを釣るが、・・・妙に痩せている。普段なら心優しき私は、リリースしてやるのだが、釣れた証拠として、生きたまま生け簀に入れておく。後でサワッチから聞いたのだが、この秘境の地で、アマゴを念願のミレニアム初ゲットした梁瀬氏は、喜び勇んで生け簀に持っていったところ、既に私の大アマゴが居るのを見て、がっかりしていたとのことである。イヒヒ。しかし、その逆境が梁瀬氏を奮い立たせ、さらに2匹のアマゴを追加。無事に一人一匹のアマゴがあたる事になる。私の方は、その後エサをゲットする事が出来ず、痩せアマゴを頂く事にする。
 たき火では、梁瀬氏の焼き物(ウィンナー・ハム・焼き豚)が大活躍する。私持参のリンゴ2個も焼く。梁瀬氏によると、この焼きリンゴが敗退の原因4。河野さんは、酒が無くて不満そう。ビールの一杯くらいあっても良かったかな〜。今度は持って行きましょう。そんなこんなで、前日から一睡もしてなかったので、私は一番に就寝。・・・つづく。
 
 エキストリーム・フライフィッシャー登場

 朝、足下が寒くて目が覚める。隣を見ると梁瀬氏の顔が側にある。「ウゲッ。」。傾斜があったため、互い違いに寝れなかったみたい。そそくさとツエルトから出て、川原で朝の一振り。直ぐに梁瀬氏も起きてきて、フライを振る。すると、下流から、フライを振り振り、誰かやって来るではないか!我々は半日以上かけて、ここまで来たというのに・・・。話を聞くとさらにビックリ!今朝、林道終点を出発し、魚を6匹程釣りながら、ここまで上がってきたと言う。さらに、このまま本谷を釣り上がった後、折返し、我々が下った中ノ又谷を釣り上がって帰る、と言う。世の中上には上がいるもんですなあ。まあ、山登りは他人との競走じゃないし・・・、と自分を慰める。しかし、20リットル程の小さなザックに、ヌンチャクいっぱい。一人であんなに沢山のヌンチャクをどう使うんだろう?やはり、エキストリーマーだ!

 白川又川 本谷下降

 のんびりと朝食を済まし、後は、昨日と同ルートを下降して帰る。帰りは結構泳ぎがはいる。こんな時に元気なのはサワッチだけ。上下カヌー用のネオプレンを着ているため、喜んで流されいる。彼女はこれが楽しみで、沢にきているみたいだ。中の谷出合い付近まで下ってきて、河野さんが見事な大ゴケをする。確かに、この沢の岩は良く滑る。ヌメッテもいないのに何故こんなに滑るのだろう?
 そして、また20mの泳ぎ。私と、サワッチ以外の2人かなり寒そうである。ここから藪こぎして200m程あがると、元の林道終点に到着する。林道終点は心地良い風が吹いていました。

 最後に

 エキストリーム・フライフィッシャーは、ネオプレンのロングジョンを着ているみたいだった。やっぱり、冷たい沢では、防寒対策も重要である。ネオプレンは比較的安く、悪くは無いのだが、いかんせん重くて嵩張る。私は、モンベルのクリマプレンのロングジョンあたりが非常に軽くて良さそうに思うのだが、結構高い。サワッチに内緒で購入し、リベンジといきたいもののだが・・・。つづく・・・かな?


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