1日花ゆえの美しさ
花の名前の由来は、栃木県日光に咲く黄色い菅(すげ)。本種はユリ科で花の形もユリに類似しており、名前にあるスゲは、葉をスゲの葉に見立てて付けられたようです。別名は「ゼンテイカ=禅庭花」といいます。
名の通り、日光の霧降高原は群生地として有名ですが、最近はその数もだいぶ減少しているようです。日光以外でも、尾瀬や長野の車山などで群生が見られます。特に尾瀬の群生地では、7月中旬になると一面が黄色いじゅうたんを敷いたようになります。
ただし、花の命は短く、1日花です。茎先に3〜4個の花を付け、順番に(もちろん同じに咲くこともありますが)開花していくため、長い期間咲いているように見えますが、決して同じ花を見ている訳ではありません。
輝くような黄色い花々は、1日花ゆえに、その存在感を強烈にアピールしているのでしょう。
◆科目・特徴 ユリ科。
◆育成地・分布 山地や高原の草原。本州(中部以北)
(写真=尾瀬で。1995年7月17日撮影)
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