よく見る花だけど、名前は分からない。ずっと雑草だと思ってた−−。ハルジオンはそんな花の1つではないでしょうか。「ハルジオン」などという高貴な名前を覚えてからは、その開花状況を絶えず気にするようになりました。公園や道端などで簡単に見つけることができる身近な花です。
春に咲く「シオン(キク科シオン属)」に似た花ということで、漢字では「春紫苑」と書きます。近似種にヒメジオン(姫紫苑)があります。
高さ30〜100センチ、花は薄紅色で、径2〜2・5センチ、糸状の舌状花(ぜつじょうか)が付きます。茎は中空です。
別名は「春女苑=ハルジョオン」といいます(上記ヒメジオンの別名はヒメジォオン)。ところで、この「ハルジォオン・ヒメジョオン」と聞いて、松任谷由実の曲のタイトル(アルバム「紅雀」に収録)を連想される方もいるのではないでしょうか。歌詞の中には「ヒメジョオン」しか登場しませんが、土手に咲くヒメジョオンに埋もれて口づけをした、とあるのは、どこか郷愁感を誘います。
花としては大正時代に観賞用として渡来しました。
◆科目・特徴 キク科。
◆育成地・分布 野原や道端。(帰化植物)
(写真=小石川植物園で。1998年4月29日撮影)
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