はなしの花

『百万ドル』に『不夜城』の旅

 更新を2カ月もサボってしまったら、時すでに11月。

 霜月でっせ、霜月(なぜか関西弁)

 花にはバラ科の「シモツケソウ」なんていうのがありますが、あれは「下野」で、しかも夏の花。

 この季節、首都圏では紅葉には少し早いし、といって旬の花も少なく、私にとっては“ローテーションの谷間”的な時期なのです(花の話は次回にでも)。

 そこで、表題。

百万ドルの夜景
(香港・ビクトリアピークより。写真をクリックすると拡大されます)

 先月、香港とマカオに行ってきました。

 どちらも初めての訪問地です。

 明治初期の“脱亜入欧”思想ではありませんが、根がミーハーな私は欧米志向が強く、近隣のアジアにはあまり関心がありませんでした。

 ――欧米か!

 ところが、原油高と円安(両方とも9月までの話になってしまいましたが)の関係で、今年は欧州方面への旅行を断念。妻と相談して『安・近・短』の香港・マカオへ行くことになったのです。

 最初は、「中国復帰後の香港、どうかな」と思っていたのですが、良かったですね、本当。

 フランスのような気取った雰囲気がなく、マナーにもルーズなので、とても過ごしやすかったです。

 人が多くて、どこへ行ってもごみごみしていますが、何故か嫌な気がしませんでした。下町(といっても、ちょっと郊外ですが)の長屋で育った私には、懐かしさすら覚えました。

 ガイドブックには、飲食店はどこも満員で相席が多いと書いてあるので、行くまでは嫌だったのですが、実際に訪れてみると、

 ――Don’t worry!

 隣の人が食べている料理を指でさして「これをください」なんて、平気で注文していました。

 ちょっと下品すぎた行動を今は反省しています。

不夜城
(マカオ・某ホテルの前にて。写真をクリックすると拡大されます)

 こちらマカオは、カジノの街としてラスベガスと比肩するたげあって、まさに不夜城。

 我々もせっせとカジノに出掛け、「大小」や「ブラックジャック」を楽しんできました。

 しかも、妻のビギナーズラックのお陰で、夕飯分くらいは勝たせてもらいました(なんていい街だ)。

 観光都市としてのマカオはまだ発展途上のようで、雨後のタケノコのごとく、二十階超のビルがあっちこっちで建設中でした。

 景気後退が叫ばれる世界経済の中で、マカオだけは別格の『不況知らず』で、底知れぬパワーにあふれていました。

 将来に希望があって、羨ましい限りです。日本も少し前までは元気だったのに…

 この際、景気づけに、思い切ってカジノを誘致してみたらいかがでしょうか?

 原油高、円安が導いた今回のアジア旅行。

 ところがどうして、思いがけぬ収穫に満足しています。

 ここ最近の急激な(劇的な)円高により、ドルは一時90円まで下落しましたが、私が見てきた香港の『百万ドルの夜景』の価値は、決して暴落することはありません。

(11月3日 記)



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