「THE SUN」(04) 解説2(2004.8.8UP)

(8.君の魂 大事な魂)
今や、すっかりお馴染みとなった新曲(笑。初めてライブで聴いてこうしてアルバムで聴くまで実に3年が過ぎてるんですね。
分かり易いメロディ、シンプルな歌詞。普通にイイ曲だと思います。今まで、こういう「普通の曲」が元春には無かった様な気がします。
これもメロディさんとLeyonaのコーラスが秀逸。
エンディングの最後の所で元春の「Auh-Auh(アゥアゥ−)」とヨーデルの様なコーラスが入るのが面白い。

(9.明日を生きよう)
とても明るい曲調だけど、唄の中の主人公は混乱しているみたい。
「イヤなことばかり目立ちたがる」「肝心な意味が隠される」「簡単な答えさえわからない」
かなり絶望的なコトバが並びます。
「近づいてみるほどわからなくなる」「本当の真実が遠のいていく」のフレーズはリアルに響いた。
何だってそう。何か目指してて・・段々そこに近づいて。。色んなコトが分かってきて、でも「楽」になんてなれない。
「見えてきただけ」苦しみや悩みも増える。益々分からなくなってくる。却って「真実」より遠ざかる気がしてくる。
そして、次第に分かってくる。「たどり着いた後も、現実という゛うすのろ゛は終わらない。この現実は永遠に続くのだ」って。
でも、「分からない」コトが分かった。それはきっと価値があるんだろう。・・・この唄を聴いてそんなコトを考えた。
それでも、この歌の主人公にはハッキリ見えている物が1つある。それが「君」という存在。そこに「救い」を感じる。

(10.レイナ)
これも女性ファンにとっては嬉しい曲じゃないかな?女性に対して、とても優しい励ましの歌になってると思う。
僕はこの歌に出てくる男性が「希望」の主人公と同一人物の様に思えます。
ここに出てくる「寝かし付けた子供たち」が「希望」の「かわいい女の子」と一緒かな?って。
中年の男女のラブソング。ここで描かれている世界は本当に「大人」を感じます。
このアルバムに出てくる、どの曲も「家」「家族」を肯定的に描いていて、それが本当に素晴らしいと思う。

(11.遠い声)
これは元春の歌の中でも新機軸。こういうメロディ、唄い方って今まで無かったような気がする。
「君」を目指して車を走らせている男性。多分相手は「レイナ」の女性。「レイナ」より関係が親密になっているような。
「数え切れない失った物」「ムダに気がついている」と歌いつつも「君」に向かって急いでいる。とても幸福なムードを感じます。
アルバムの中では唯一、ストレートなラブソングかも?

(12.DIG〜13.国のための準備)
待ってました!のロックンロール2連発!!。長田さんが加わってのギターバトル。
KYONさん、コロちゃんのギターも熱を増し、元春もシャウトしまくるスピード感溢れるナンバー。
やっぱロックンローラーはシャウトしないとね。「DIG」の「ここを離れようか、それともとどまろうか」の歌詞が印象的。

(14.太陽)
ラストナンバー。珠玉の名曲。元春はとうとう「サムディ」を超える曲を産み出した。聴いたとき、そう想った。
「少しだけ臆病になって」「ここにいる力をもっと」の2節には泣いた。この曲を聴いて「強くなりたい」ひたすら、そう想った。
最後「愛しいあのひとが無事にたどりつけるように」が「゛ウチ゛にたどりつけますように」と聴こえた。
聴き間違いかも知れない。でも、確かにそう聴こえた。
かって「たどりつきたい」と歌った元春が現在(いま)愛しいひとが「たどりつきますように」と歌った。
その優しさが嬉しかった。その思いやりに泣いた。
現在の自分はそうだ。自分が「たどりつく」コトよりも家族は友人が「そこに無事にたどりつけるように」・・そう想いたい。そう祈りたい。

この唄は勇気を失くしたとき、何度も聴くだろう。そうして何度でも力をもらうだろう。
この唄を一生聴き続けるだろう。この唄は一生自分と共に歩んでくれるだろう。
5年間待った甲斐があった。こんな素晴らしい唄を生み出してくれて、ありがとう元春。

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