18.幸福の条件(06.4/16UP)

ここ書くの久しぶりだな〜。更新、何と1年ぶり(笑。書くテーマなかったし、ここ書くのって結構エネルギー使うし(笑

今週フィッシュマンズのアルバム「宇宙 日本 世田谷」を購入した。以前レンタルで聴いてMDに落としていたけど、急にCD欲しくなった。
ボーカル佐藤伸治クンの生前に製作された最後のオリジナルアルバム。
アルバムの最後に「DAYDREAM」という大作が納められている。とても寂しいラブソング。その歌詞にこんな一節がある。

「死ぬほど悲しい 毎日なんて まっぴらゴメンだよ 暗い顔して 2人でいっしょに 雲でも見ていたい」

ところが今回CD買ってチャンと歌詞カード読んだら自分の勘違いに気付いた。正しい歌詞は次のとおり。

「死ぬほど楽しい 毎日なんて まっぴらゴメンだよ 暗い顔して 2人でいっしょに 雲でも見ていたい」

「悲しい」じゃなくって「楽しい」だったんだぁ・・・でも普通、「死ぬほど楽しい毎日」過ごせたら絶対イイじゃん。
でも、佐藤クンは何故それを「まっぴらゴメン」と否定し、「暗い顔して雲を見ていたい」って唄ったんだろう?
勿論、佐藤クンの真意はわからないけど・・・この歌詞で「幸福」について考えてみた。以下それをグダグダ書いてみよう(長い前振りや^^;)


「死ぬほど楽しい 毎日」、そんな風に生きれたら素敵だと思う。最高だろう。でも、そんな人生をボクは「肯定」できないと思う。
イヤ、他人がそんな人生を送るのは全然OK。
何も悩む事、苦しむ事なく全て上手く行く人生、そんな人生送れるなら素晴らしいと思う。
でもボクは・・・「死ぬほど楽しい 毎日」を望まない。自分にはそんな人生は有り得ない。
「すべて・・仕事もプライベートも何もかも上手く行って・・望むこと全て手に入れて、思うどおりに行く人生」
そんな都合のイイ人生は有り得ない。そんな人生がもし目の前にあったとしても、選ばないと思う。

シアワセを手に入れるには、何か代償を払わなくちゃいけない。何か欲しいなら何かをあきらめなければいけない。
現在の自分・・・家族や友人に恵まれて「シアワセ」だと思う。
でも仕事では悩みだらけだ。プライベートでは大きな悩みや苦しみは無いけど多少考え込んでしまう事はある。

「シアワセ」に生きていくためには「楽しくないこと」イッパイしなくちゃいけないのだ。
何かに苦しんだり、怒ったり、苛立ったりしてこそ、幸福になる資格を手に入れられている、そう思う。

何か最近昔のこと思い出して・・・佐藤クンのこの歌聴いていろんな想いがあふれてきた。
昔・・・10年位前は、毎日溜息ついてた。「楽しい」だの「シアワセ」だの・・・そんな事を否定して生きてた。
毎日イヤなことばかりで、外に出るのはイヤでヒトに会うのがイヤで、「いつ死んでもいいナァ」って思って生きてた。
あのとき「楽しいな」「シアワセだな」・・・なんて思ったことも言ったこと無かった。
上手く行かないのが当たり前、失敗して当然。喜びとか輝き・・なんてコトバは自分には無縁だと思ってた。
こんな風に一生、苦しんで悩んで・・ずーっと生きていくんだろうと思ってた。

そういう状況を抜け出して・・・色んな風に風向きが変わって色んな出逢いがあって、少しづつ自分も変わって。
イヤな昔のことをいつのまにか忘れたり、消したりして・・・シアワセが目の前に現れて・・・
それでも、自分が「シアワセ」になれるって事を信じていなかった。そんな上手い話が自分には起こらないと信じてた。
どーせ、またしくじるんだろう、失敗するんだろう。そう思い込もうとしてた。
あるヒトにはしょっちゅう言われていたな「成功やシアワセのイメージを想わないから上手くいかないんだよ」って。
でもね・・・自分が体験していない事はイメージできない。むしろ知らないことは「怖い」だけだ。
そう「シアワセになる」ことが怖かった。あのとき。自分の知らない世界だから。

でも、踏み切れたらシアワセになれた。「死ぬほど」では無いけど・・・楽しいことイッパイある。あのときよりも増えた。
きっとあのとき「苦しんだり」「悩んだり」「おびえたり」したから今の「シアワセ」が与えられたんだと思う。
だけど・・・今後もずーっとシアワセかはワカラナイ。またああゆう状態におちることもあるかも知れない。

ならば、今のシアワセを失いたくないなら・・代償を払わなくちゃ。苦しんだり、悩んだりしなくちゃ。
頑張ったり闘ったりしたら・・・その分このシアワセも続くと思う。思いたい。
逆に「頑張らないで」今のシアワセが永劫に続く・・・なんてそんな都合のイイ話あるワケない。
このシアワセが続く、と想ったら少々の事は頑張れるはず。ガマンできるはず。笑いとばせるはず。

きっと多くのヒトが色んな悩みを抱えたり、溜息ついたりしてると思う。特に30代〜40代の同世代は。
責任・義務・諦め・・・色んなこと増えてるし、見えてるし、見えなくなってるし。
「自分が情けない」「自分が嫌い」「何もしたくない」「消えてしまいたい」「死んでしまいたい」そう思うコトあるだろう。
自分も含めて、そういうヒトにいいたい。
「貴方が今それだけ傷つき悩んでるなら、きっといつか大きな幸福を手にしますよ」・・・って
こんなの苦しんだり悩んだりしてるヒトには気休めにもならないだろう。それは分ってる。
でも・・それでも云いたい。「貴方達の苦しんだ分、きっとシアワセが訪れますよ」・・・って
そして・・・自分にもそう言い聞かせたい。


佐藤クンは「死ぬほど楽しい毎日なんてまっぴらゴメン」と唄った後、「暗い顔して二人で雲を見ていたい」と云っている。
「死ぬほど楽しい毎日」じゃなくても「暗い顔して雲を見ている」二人は・・その瞬間はきっとシアワセなんだと想う。そう想いたい。

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