GW北アルプス・滝谷&フリークライミング合宿

 

 僕はアルパインクライミングが好きだ!でもフリークライミングも死ぬほど好きだ!というわけで今回のGWは前半は北アルプス・滝谷で後半は小川山でフリーをすることにしたのだった。。。ちょっと単純過ぎるかも…。
 まず前半の北アルプス・滝谷のメンバーは僕と小河原氏と彼がシャモニで知り合った栗原君の3人で望むことになった。
26日(土)の夜、東京を出発♪一般車で行ける一番奥の駐車場・沢渡まで行き眠る。
 いよいよ初日♪今日はベースとなる北穂山頂付近にあるマツナミ岩まで行く。ある意味で今日が一番辛い日かも知れない…。久しぶりに重たいザックを背負い歩く。朝のうちは上の方が少しガスっているが天気は回復してきているし問題は無いだろう。
思えば去年のGWも滝谷に来ていたものの暴風雨⇒テント浸水⇒隣のテントからゴミ飛んでくる⇒かなり惨めな生活⇒結局アプローチ敗退と残念な結果になっていた。しかし、今年は違う!念願の3スラも登れたし、戸隠本院ダイレクトだって登ることが出来たんだ。今シーズンは運が良いんだ。あんまり冬山に行かなかったけど敗退してない。きっと大丈夫だろう。
 とりあえず約10時間の苦行でベースとなるマツナミ岩に到着。
「いやー、疲れた。ボッカもしなきゃ駄目だなー。」明日の晴天を祈ってシュラフに潜り込む。
27日(日)朝起きる。雨、雪は降っていない。しかし、テントの外はどんよりとガスが立ち込めて少し風が強い。

「ありゃー、やっぱ駄目かな。」

 しかし、辛抱強く待っているとガスが切れ、良い感じになっていく。これは行くしかない!ちょっと遅いが8時頃出発する。
出発が遅いので予定とちょっと違うが3尾根を登ってみて、時間があったらドーム中央稜もやってみようということになった。
9時頃、3尾根の取付に到着する最初は90mの雪の詰まったガリーを登る。僕がソロで登り、その後栗原・小河原がコンテでついて来る。リッジ上にのったところでスタカットにする。まずは僕が登る。2ピッチ目は栗原君に行ってもらう。トポだと3級と書いてあるが結構難しい。3ピッチ目は小河原さん。その後しばらく易しいクライミングが続く。これならドーム中央稜も行けそうだ。中央稜に入り僕の番が回ってきたのでリードで登る。トポには4級チムニーと書いてあったが異様に難しい。が、何とか抜けるたが、少し短めにピッチを切ってしまったので次も僕が行く。ここも一見簡単そうなのだが結構悪い傾斜も立っていて岩も浮いている。抜けるとトポに書いてあるリッジ左のスラブ部分にぶつかる。どうやら少しずれて登ってしまったみたいだ。確かに下のチムニーは6級ぐらいはあったと思うその後のフェースも5級はあっただろう。でも登れて良かった♪
その後栗原君にバトンタッチ♪プラブーツじゃスラブは無理と判断してその1m右にあるチムニーを登る。頼もしくリードしてくれる。(ここもムズイ)その後小河原さん、再び僕とリードして3時ごろ稜線に抜ける。快晴無風の中、やっと念願の滝谷を完登。いやー本当に嬉しい。明日も晴れてくれると良いね♪
 2日目、朝から天気が良い。これなら今日は大丈夫。予定のクラック尾根に向かって進む。B沢を下ってバンドをトラバースして取付に出るのだが結構ボロボロで悪い。これは夏も結構大変そうだ。今日も最初を僕が登らしてもらう。技術的に昨日ほど難しくないが落石を出さないように神経を使いながら登る。「これは先行パーティーがいたらかなり危ないな。」どうしても細かいのを落としてしまいその度にビレーヤーにぶつかってないか心配になってしまう。幸い誰も落石は受けずまた後続パーティーもいなかったので何事も無く登ることが出来た。11時半再び快晴・無風の中稜線に立つ。今日も大満足♪
しばらく北穂小屋で珈琲を飲みながらマッタリする。どうやら明日から天気が悪くなるようだ。
時間があるからドーム北壁でもやろうかと思っていたがこれは早めに下山した方が良さそうだ。
 結局その日は横尾まで下りてテントを張る。上を見上げると大分ガスが出てきて天気が崩れ始めている。
 最終日、朝起きると外は雨が降っている。まー2日間登れたからしょうがないかな。11時まで待つが雨が弱まる気配が無いので上高地に向け歩き始める。最後に降られてしまったが今回はとても良いクライミングが出来たかな。。。一緒に登ってくれたメンバーどうもありがとう。
松本で小河原氏と別れた後、今度はフリークライミング合宿のため小川山へと向かう…。

文:小川 弘資  写真:栗原 治郎

 

 

涸沢で休憩。これからが辛い!

いざ出発!!

アプローチはC沢左俣を下りる。結構急で緊張する。

ルートからずれていた中央稜2ピッチ目部分。

中央稜最終ピッチを登る僕

抜けた直後の僕と小河原氏

頼もしい男!栗原 治郎 

2日目クラック尾根のアプローチ

核心のジャンケンクラックを登る僕。

ビレーをする小河原氏

これを登れば稜線だ!

小川山フリークライミング合宿

初日はカサメリ沢に行ってみた。

アズサ on 下積み生活(5.10b)

ヒロシ on もうじきバカボン(5.10d)

登れましたー♪

ジロー on アルパイン少女マミ(5.11d)

ヒロシ on 屋根の上のバイオリン弾き(5.11b)

 

 

 

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2004年3月6・7日 会山行 谷川岳 西黒尾根

 

 

<高山 記>


 小川さんは、一眼レフデジタルカメラ、三脚とバルブシャッターを用意する。この日は月が明るいので星空は撮れないが、晴れていれば夕日の雪山、月明かりの雪山や月明かりの肩の小屋が絵になったかも。私は雪山雰囲気を盛り上げるために竹竿を14本用意した。
 登山指導センターを出発してから2時間半ほどで、伊豆さんが「左足の膝が痛くてこれ以上登れない。1人で下山する。」と言い出した。リーダーの小川さんは「パーティを分けることはできません。しばらく様子を見ましょう。」と判断した。私も過去にパーティを分けたことが原因で事故を起こした経験があるのでこの判断に賛成した。そして、天候は良い方に向かっているように感じられたので、ベースキャンプを張り、伊豆さんだけキャンプに待機し、残る3人(小川、高山、小林)で山頂アタックに決定した。
 9:30にベースキャンプを出発し、30分もすると樹林帯を抜けた。天気は非常に良く、3人とも簡単に山頂往復ができると考えていた。しかし、樹林帯を抜けると雪はしまっておらず、膝近くのラッセルが多くなる。予想よりスピードが上がらなくなる。主稜線近くの急な雪壁が終わる頃、天候はどんどん悪くなった。高度計で確認すると、1900mまで来ていた。山頂にはもう1時間はかからないことは判断できたが天候は悪くなるばかり、下山時にとても西黒尾根を探すことはできそうもない。竹竿は下のほうに無駄に立ててしまい全然足りない。これ以上無理をすると肩の小屋に停滞になるかもしれない。ベースキャンプの伊豆さんも心配してしまうだろう。結局敗退を決定したが、気温が急に下がり猛吹雪になる。下山路には竹竿を立ててあるものの全く見えない。敗退は当然ながらベースキャンプに戻ることも困難な状態になる。このとき小林さんが「右足がつる。待ってくれ。」と言い出し、ふらふらしている。すぐ後ろで見ていた私は、「まずい、ツェルトがないし、スコップで雪洞を掘ることになるか。」と考えるようになる。しかし幸いにも、視界が良くなり、赤布がみえるまで視界が伸びるとちょっと安心。とにかく早く樹林帯に戻ることを考える。無事にB.C.に戻ることができたが、結構きついアタックだった。
 今回は予定外のアタックになったが、アタック隊とB.C.の交信は絶対必要だ。3時間で戻れるかと軽く考えたが、敗退しても3時間30分になってしまった。また、竹竿の使い方も問題があった。視界が悪くなると50m先の赤布さえ見えない。地形を確認するとともにコンパスで確認しながら竹竿を立てるべきだったと思う。一時の好天気を見てだんだん良くなるだろうと安易に考えてしまった。ビーコンとスコップが足りなかった。
 振り返ると、現状の力量を適切に判断し、行動したと思う。天候が悪いので、肩の小屋に泊まったら、次の日に西黒尾根を下ることはできなかっただろう。とにかく西黒尾根は内容豊富で雪上訓練に適している。


行動記録
3/5(土)
 登山指導センター内に寝る。4:30 起床
 6:00 出発
 8:30 1480m地点、ベースキャンプを張る。
 9:30 山頂に向け、出発。
  11:40 1900m地点、天候悪化のため敗退決定。
  13:00 ベースキャンプに戻る。
3/4(日)
 ベースキャンプを撤収し、8:30出発
  9:30 登山指導センターに戻る。

メンバー 小川L、高山、小林、伊豆

せっぴを越える。 

小雪舞う中、歩く。 

鉄塔付近にて 

まだまだ元気な時の図

黙々と登る伊豆さん 

下りも悪い。 

標高1900m地点の男たち。 

車に積もった雪 

下山でき、ホッとする4人。 

指導センターからリフト乗り場が見えない。 

 

 

 

 

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