そもそもこの計画が持ち上がったのは確か10月中旬の九州ツアーの前だったと思う。
屋久島という件名で「20ピッチのロングルートがあるらしい登ろうぜ」というよっちゃんという友達から来たメールだったと思う。
これから九州に行くのに何てことをいう奴だぐらいしか考えていなかったにまたしても流されてしまい気が付いたら飛行機は離陸していました(事実)。
よっちゃんたちは屋久島で行われるアドベンチャーレースに参加するらしい。僕は同じ飛行機が取れなかったのでちょうどそのレースが終わるくらいに合流することにした。1人鹿児島の夜を芋焼酎で楽しみ、翌16日トッピーにて屋久島に上陸する。予約しておいたレンタカーを手に入れアドベンチャーレースの会場に向かうと既に彼らはゴールした後でおまけにぶっちぎりで優勝もしていたみたいだ。
その夜はモッチョム岳の麓にある駐車場に泊まる。まず驚いたのはその星の数だった。いつも山から見ていたのでこんなもんと思っていたが屋久島は違っていた。僕の下手な文章では表現できないのが悔しい。
17日AM4:00起床、5:00前には伝説のルートを目指し出発する。しかし、アプローチも大分悪い、手に入れた資料とは大分違っていて予想以上に時間が掛かり、結局取り付きに付いたのはもう明るくなった7:00ぐらいになってしまった。
ミルキーウェイ。銅淵川大滝+右方白ルンゼ+東壁+北東壁を繋げた凄まじく長いルート。標高差こそ450mだがそのルート長はゆうに800mを越える。
基本的にスラブのルート天気が崩れたらお仕舞だ。手短に準備して登りはじめる。
1P:よっちゃん スラブ直上少し左にトラバース。5.9
2P:ヒロシ このルートの核心細かいスラブを越え、薄かぶりのフェース。10b
3P:よっちゃん 20mの簡単なスラブなはずが濡れていてかなり悪い。5.7
4P:ヒロシ ここも濡れていて正規のラインを登れず左を登るがかなり悪くランナウトもかなり激しかった。5.8
5P:よっちゃん 草付っぽい凹角、ここから水が出ていたみたいだ。靴の裏も濡れてしまっているのでA0で越える。5.9
6P:ヒロシ ここもスラブを登りハングを右から越え直上して草付にはいるのだがやっぱりびちょびちょだった。5.8
7P:よっちゃん 岩の廊下をたどり滝の下まで上がる。5.5
8P:ヒロシ 垂直の枯滝だと思うが、やっぱり水が流れていて極端に悪い。A0。5.9
9P:よっちゃん ブッシュの凹角。5.5
10P:ヒロシ 30mくらいの簡単なスラブだけどボルトが一本も無くてちょっと不安。5.7
11P:よっちゃん スラブ直上する。5.8
12P:ヒロシ トラバースして草付の凹角を登る。5.9
13P:よっちゃん 垂直に近いフェース。カチ系ホールドで面白い。5.8
14P:ヒロシ 奮闘的なチムニーと本には書いてあったけど泥溝って感じ。15m垂直のフレアーしたチムニー。プロテクションは取れなかった。5.9
15P:よっちゃん 草付から簡単なスラブを登る。
16P:ヒロシ 細かい結晶を繋いで登るスラブ。ここも面白かった。5.9
17P:よっちゃん そのままスラブ直上してトラバースするのだが、ここが濡れていて結構悪かった。5.9
18P:ヒロシ さらにトラバースするのだが40mでボルト一個はちょっとびびった。5.7
19P:よっちゃん ホッとできるスラブ。5.6
20P:ヒロシ さらに続くスラブだがまたしても濡れていて上部がかなり微妙だった。5.8
21P:よっちゃん 易しいスラブ。5.6
22P:ヒロシ 「最後でこれかよ!」ていうフェース。結構立っている凹角を登りその後フェースにつなげて登るがコケコケして悪いくせに20mボルト無し。叫びまくる。5.9
その後30分ほど薮を漕ぎ、モッチョム岳のピークに出る。風はかなり強いが天気は最高!!景色も最高!!!帰りは一般道で下りることができる。しかも途中でモッチョム太郎に会うことが出来る。
感想〜ミルキーウェイを登って〜
その前に九州でスラブを登っていたのでかなり助かった部分がありました。ルート自体は簡単だけどひたすら長いなーって感じで、多分九州だったら1日3本ぐらい登るのと同じ感覚だったと思う。クライミング中は海風が結構強く途中で引き付ける腕が冷えのためかそれとも疲れのせいかつってしまいちょっと焦った時もあった。
このルートは結構ジグザグにトラバースなどをしながら登っていくため懸垂=敗退が考えられずスピーディー&総合的なクライミングが要求されると思います。結局僕らはつるべで8時間で抜けましたがもっと切り詰められる部分があったと思います。
ボルトに関しては良く整備されていて全く問題はありません。が、基本的にランナウトしなさいって感じです。アンカーも途中1箇所だけハーケンで作ったぐらいで他はかなり良い状態で使用可能。
期間2003.11/15〜19(クライミングは17日)
メンバー 小川弘資L、佐藤佳幸
※クライミング中の写真、使い捨てカメラで撮ったのですが非常に画質が悪いですがご了承ください。
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