新人教官・心男軍曹のお勧め:Vz61について



はじめに
これからサバゲを始めようと思っている人の中には、ガンマニアで銃から入る人もいれば、スポーツの1つとしてゲーム自体をやってみたいと思った人もいるだろう。

ガンマニアなら自分の好きな銃をエアーガンでチョイスしてとことん使い倒すと言う遊び方が出来る。
しかし、銃にこだわりのない人がエアーガン選びをする際に、最初の1丁として人参解放軍がお勧めしたいのは、東京マルイのコンパクト電動シリーズから、「Vz61スコーピオン」である。

その理由を以下に検証していこう。

・小型軽量、大火力
 最近の電動ガンはメタルパーツ多用、その上ブローバックギミックが入ったりしてかなり重くなっている。
ミリオタなら「この重さこそ本物よ」とニヤニヤ出来るかも知れないが、ゲームの為のツールとして弾の出るエアーガンが必要な人には、プレーの為の動きに極力影響を与えない物が良いのは言うまでもない。
特に慣れてない人が、両手保持を常に強いられる長くて重い銃を自在に扱える筈もなく、それでなくても隠れたり這いずり回ったりを何度となく繰り返す状況で執銃が負担になってはゲームに集中出来る筈も無い。

その点、Vz61スコーピオンは片手で十分取り扱える。ほとんどハンドガン感覚で使えるのだ。
とはいえ、マガジンはフォアグリップとして使う前提の設計がされている(左手の親指はトリガーガードに入れ、マガジンを握る)為、両手でしっかりと保持する事も容易だ。

マガジンの弾数もノーマル58発、ドラムマガジンを使えば370発と1ゲーム十分にマグチェンジ無しで戦える。

懸念されるのは普通の電動ガンと比較して低い初速(パワー)だろう。

しかし、通常のサバゲで最大射程で真っ向から撃ち合うなんて戦いばかりしてるかと言えばそうではない筈だ。
普通はどこのフィールドでも遮蔽物があって、撃ち合いをしている交戦距離は20mー30m程度だろう。
この程度だったら全然余裕で、狙ったところに弾を送り込めるだけのパワーと命中精度を有している。

むしろ、相手がM4とかで隠れたり顔出して狙ったりの度に構え直してあたふたしている間に、スコーピオンだったら片手で当たりをつけたところにフルオートをたたき込み、さっと退く、という事が実に容易に行える。
取り扱いはハンドガン並、だけど火力は電動並という良いとこ取りなプレーが実現できるのだ。
そして、ハンドガンサイズだから後々に電動長物を買っても、サイドアームとしてハンドガン代わりに携帯して使う事が可能だ。

メインになり得るサイドアームだから、スイッチした後の戦闘力にも不安はない。

後々サイドアームにするんだったら、電動ハンドガンでも良いのでは?と思う人もいるだろう。
でも、電動ハンドガンだと弾数は多弾数マガジンを使っても100発。しかも長くてかさばる。
そして何より、初速がコンパクト電動よりさらに10m/s程度低く、60m/s台しかない。
この差がどう影響するかというと、40m当たりでもまだ弾を送り込めるかどうか、の分かれ目になるのだ。

40mって、遠いけど撃ち合いを見合わせる距離ではない。
これが電動ハンドガンだと直射撃では届かなくなる。
だから、電動ハンドガンはその射程まで接近するのが可能なら同様に使う事が出来るが、始めたばかりのゲーマーが自分の銃の射程と相手の銃の射程を正確に読んで間合いを詰めるなんて現実的ではない。
だから、イチオシはコンパクト電動!なのだ。

・操作系のレイアウトが良い
トリガー前にマガジンがあるというスコーピオンのレイアウトは、M4やG3、MP5等一般的なゲームウエポンと同じである。
なので、後々にこれらのエアーガンにメインを譲ったとしても使用感で混乱する事がない。

これが例えば同じコンパクト電動でもMP7やMAC10だと、グリップ内のマガジンとなるので、これはこれでグリップ握った手をガイドにマグチェンが出来るという、銃の取り扱いに慣れない初心者向けの設計ではあるのだが、他の銃にスイッチした際にまごつく事になる。

まあ、P90やステアーAUG等、レイアウトが異なる銃と併用するならスコーピオンである必要は薄いだろう。

それと、バッテリーは最近の次世代電動と同様、コネクターを使用しないポン付けで使えるスティックバッテリーとなっている点も見逃せない。

・価格がお手頃
かつての電動ガンはだいたい2万円程度で収まっていた。でも最近は4万円台が標準、だからモノによっては半値近くになる中華電動も結構ショップに出回るようになったのだ。
しかし、使用する材質の違いや組立精度等によって、同じ形をしていても明らかに性能に差が出ているモノは多い。
自分だけで使っていると、とりあえず弾も出るしホップも効いてるし、問題ないかな、と思っても同じモノを並べて撃つと、日本製なら当たるものが中華製だとバラけて当たらない、というのをフィールドで私自身も何度も見た。

勿論、分解して手を入れられる人なら同等の性能にしてしまえるが、ここで対象としているのは始めたばかりの初心者なので、手を入れなくてもそれなりの性能・精度を有している事が望ましい。

この点からすると、コンパクト電動は中華のフルサイズ電動程度の価格で購入可能なのだが、実射性能は初速の差はあるものの、命中精度ではかなり良い。個体差も勿論あるが、同じ距離の的を撃って中華電動でなかなか当たらないのがコンパクト電動で簡単に命中、という経験もしたことがある。
だいたい、中華電動も2万前後だがコンパクト電動もほぼ同程度なので、低価格・高性能を求める人には間違いない選択肢としてお勧めしたい。

・その他、細かい点
・セミ・フル・セーフティのセレクターが指一本で出来、誤動作無し。
 実はMP7だと深く握った際にセレクターがフルにしてあってもセミに入ってしまう事があるのだ。

・上記でも触れているが、コンパクト電動で唯一ドラムマガジンが使用可能。
何が有利って、他の多弾数マガジンは細いので途中で詰まり給弾不良が時々(たぶん弾種にも因ると思われる)起きるのだが、ドラムマガジンはそういったトラブルがない。また長くて邪魔になることもない。

・メカ系はクラフトアップルの99式軽機にも使われた程。
 チューン次第でフルサイズの電動とも渡り合えるポテンシャルがある。

・漫画「パイナップルアーミー」1話でその魅力が語られている。是非読まれたし!