工廠長のお勧め:AK47について



はじめに
AK47は、マルイ電動ガン中唯一の東側(共産圏)銃器のモデルアップです。
数少ない東側銃器として、人参軍では当然のように使用されております。
しかし、このAK47が普及している理由は単に「東側モデルである」と言うだけではありません
「AK?ちょっとねえ・・・」又は「単に装備に合うので使っているだけだよ!」という人達にもこのAK47について知っていただきたく、今回紹介させていただきます。

※記事中で採りあげるのは、主にその構造、機械的な内容です。実銃としてのデータや外観上の特徴はHP内「人参武力部・AK47シリーズの項」をご覧下さい。

1. 剛性
AK47を持ってみると、その剛性感に驚かされます。あらゆる面でよく比較対象とされるM16と較べると、特に首の部分がしっかりしていることに気づくと思います。
AK47は、レシーバー(フレーム部分)とバレル基部の結合や、レシーバーとストック基部の結合が巧みです。ブロック部品とレシーバーが咬合する構造ですが、縦横の曲げに対して高い剛性を持っています。
マガジンを挿入することや、金属のレシーバートップ(AK47/Sではバッテリーを収納する部分のカバーです)を上からかぶせる方式により、捻りに対しても強い構造です。
また、バレル基部ブロックにチャンバーを固定している構造上、命中精度にも期待が持てます。(これについては後述します)

2. メカボックス
AK47では、Ver.3のメカボックスが採用されております。現在では最も耐久性が高く、信頼のおけるメカボックスです。モーターにフレームがつき、メカボックスと一体になったことで、メンテナンス時の分解が簡単になりました。
使用されているモーターはEG700です。現在では更にハイトルクのEG1000というモーターもあるのですが、AK47は回転数、発射弾数ともに充分なレベルです。

3. 操作感
これについても、しばしばM16と比較されます。しかし、右手利きの射手について考えれば、AK47は決して出来の良い銃ではありません。
最近の軍用ライフルは、利き手でグリップを握った状態でセレクターとマガジンキャッチを操作できるように設計されている物が多くあります。
M16も多分に漏れず、親指で容易に操作できるセレクターや人指し指でボタンを押すだけでマガジンが落ちるマグキャッチを採用しています。この扱い易さは、白眉と言えるでしょう。
ところがAK47は、利き手をグリップから離さないとセレクターが操作できず、またマガジンの着脱が面倒なこと(フックに引っかけてから回転させてキャッチに填める)もあり、扱いづらい面もあります。
但しサバゲーにおいては、セレクターはフルオートしか使わない人が多く、またマガジンチェンジは練習することで対応できますので、決定的な欠点とは言い難いでしょう。

4. 取り回し
私の経験からいうと、取り回しが良い銃というのは単に全長が短いだけでなく、重量バランスも良くなければなりません。ス トックが無いから取り回しが良いとか、ストック折り畳みだから取り回しが良いということにはなりません。ある程度重い物(固定ストック)がグリップより後 ろにある方がバランス感は良いでしょう。ストックは小脇に抱えて持ち歩くことが多く、案外邪魔にならないものです。
長い短いで取り回しが変わるのは、寧ろグリップから前の長さです。いくら全長が短いといっても、重心が前よりでは扱いにくい銃となってしまいます。AK47は、各国のアサルトライフルと比較しても短めの銃身長が幸いして、良いバランスです。
以上の点を考えると、AK47の固定ストック仕様は、その全長や重量にかかわらず、取り回しの良い銃であることが分かります。逆にAKスペツナヅ(βではなく、ホビーショー限定の初代)などは、実は扱いにくい銃になるのかも知れません。
また、「マガジンが下に長いと伏せ撃ちがやりにくい」等と言う人もいるようですが、使用者によれば特にデメリットになるほどのものでも無い様です。気になる場合はβスペツナヅ用の250連短マガジンという手もあります。

5. 実射性能
一言で実射性能と言っても、いろいろな要素があります。命中精度や弾道、初速など様々な要素があります。マルイの電動ガ ンは、これらの要素で考えてみてもモデル別で特に性能差があるとは思えません。どれも良くできています。(あくまでノーマルの話です。人参軍ではカスタム の話は必要ないと考えております。教えて貰わないと銃をイジれない人は、カスタムなどには手を出さない方が無難です。)
しかし、形状差から来る設計手法の違いや先発後発のハンディもあり、若干ながら性能に差が出ているのも事実です。メーカー側では、建前上、全ての製品を均等なパワー(初速)で出荷する努力をしているようですが、とある条件を持った特定の機種は性能が高い様です。
この条件というのが、チャンバー・ノズルの形状、チャンバーの固定方法、バレルの建て付け、シリンダー容量とバレル長の相関関係、チャンバーの弾保持とピストンヘッドスピードの関係などです。

マルイのラインナップ上、どれが良いとかどれが悪いというのは特に書きませんが、少なくともAK47は高い実射性能を持っています。つまり、前述の条件に見合った構造だというわけです。

ただ一つ、惜しまれるのは照準長の短さです。特にショート化したものは、フロントサイトとリヤサイトの間の距離が短く、 正確さを欠きます。他にも、サイトの左右調整が効かないと言うことを欠点とする人もいるかも知れませんが、30m先のマンターゲットをフルオートで撃つ分 には、あまりシビアになる必要は無いでしょう。充分当たります。
また、「装弾数も性能のうち」とばかりに、600連マガジンに惹かれてAKを購入する人も多いと聞きますが、弾が多けれ ば良いというものではありません。給弾不良等のトラブルも聞きますので、長い多弾数マガジンは注意が必要です。(これは、M16やMP5でも良く聞くトラ ブルです。)

6. 整備性
通常のメンテナンス(あくまでメカボックスの分解は考えない)においては、整備性は上々です。バレルの交換や掃除も簡単に出来ますし、メカボックスの取り出しもそれほど難しくはありません。
但し、メカボックスまで分解しようとすると話は違ってきます。
他の電動ガンラインナップを見ても、セレクターが右にしかない銃というのはAK47だけだと思います。メーカーが、他の 銃にも使い回す予定でメカボックスを開発するとなると、セレクターのある方へセレクタープレートやリンケージを配置します。つまり、通常は左側にあるわけ です。ところが、AKに通常のメカボックスを使用するとなると、結構大変です。セレクタープレートは左側。右のセレクターから動きを伝えるためには、複雑 なリンケージを伝い、シャフトでもって反対側まで動きを伝えるしかありません。
こういう点では部品点数も増えてしまい、分解も煩雑にならざるを得ないでしょう。
そうは言っても、元より頑丈な作りのこの銃、そうそう壊れるものではありません。分解する機会は殆ど無いでしょう。

7. まとめ
以上のように、AK47は良く纏められた良い銃です。特に初心者には最適でしょう
これは、メーカーのほんの偶然に依るものかも知れませんが、ただ格好に合うという理由だけで使うには勿体ないような気がします。
また、東側装備の人以外でも、性能に惹かれて使って欲しい一挺です。