レンタルショップでDVDを借りた。
事前に明日の日曜は御剣も予定がないと聞いたから、適当に借りるから一緒に観ようと約束している。
御剣の部屋で。
今日、土曜の夜、泊まる。
どうせならくっついて観ても不自然ではないホラー映画を借りた。
僕はこういった映画はツクリモノだと冷めた眼で観るのだがーー…、御剣といる時位は怖がる振りをしてベタリと寄り添ってみても良いかも知れない。
《成歩堂……そんなにくっついては映画どころではなくなる。
だって……怖いしっ。
キミがこんなに近くでは……堪らないのだよ。
あっ……御剣…。
守ってやる……私が。》
なーんてね。
まるで期待してるみたいじゃないか……。
って想像してる間に着いちゃったし、マンション。
鍵は貰ってるから勝手知ったる風で中に入る。
ここの家主はまだ帰っていない。
相変わらず忙しいらしい。
時間には余裕があるから先にシャワーを借りて、御剣のバスローブを羽織る。
そうしてる間にも玄関の開く音がして、いそいそと出迎えに行った。
……新婚みたい。
頭の端に浮かんだ言葉に口元が緩みそうになり、キュ、と引き締めた。
「おかえり」
どうせならここでお決まりの、
『ご飯にする?お風呂にする?……それとも、僕?』
なんて台詞を言ってみて反応をみるのも面白そうだけど。
「ご
「なっ!君はなんて格好で……っ」
言ってみようかと口を開いた所で御剣の狼狽した声に遮られた。
なんて格好も何も、ちゃんと着てるのに。
……って、バスローブのままだっけ。
「これはさっきシャワー借りたから」
「私のバスローブまで着て……誘ってるとしか思えないが」
「わわっ!」
御剣が廊下にカバンをドサリと落として、玄関だというのに僕を組み敷こうとする。
「こ、ここで?先ずは借りてきたDVD観ようよ!」
「後で観れば良いだろう?そんな格好してる君が悪い」
「や、ちょっと……!」
本気になった御剣には力で適わないのだ。
廊下に押し倒されてバスローブが乱れ、腿が、胸元が露になる。
電気も点けたままで身体を隠すものもない。
ぎゅっと眼を閉じて恥ずかしさから耐える。
欲しがってくれるのは悪い気はしないけれど。
「……せめて向こうに行こうよ」
ここでは声も出せないし。
そう言うと。
軽々と抱き上げられた。
最初の、怖がる振りをしてくっついてDVDを観る。という予定とは違うけど。
これはこれで……悪くない。
終
20090312
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