B 媚薬を飲んだのは、『二人とも(笑)』:ハズレ





『どちらか一方だけにクスリを入れた』
 とは、言っていない。成歩堂に責められた時の対策に、ゴドーはそんな抜け道を作っておいた。
 尤も、成歩堂がその点を追求する事はなかったのだが。
 


「クッ…俺とした事が、ぬかったぜ」
「アナタ、ほんとはバカでしょう…」
 成歩堂は無論、ゴドーも精根尽き果ててシーツにぐったりと横たわっている。
 お互い、それこそ成歩堂も色んな事を言ったし、言わせたし、強請ったり、イタしちゃったりしたが。
 肝腎の、元々の目的である『抱いて下さい』と言わせる事に関しては、すっぱりすっぽり抜けてしまったのだ。
 本末転倒である。
 『使用用法は正しく守りましょう』
 どのクスリでも、そんな但し書きがついているではないか。
 念には念を入れと追加したその1匙が、エロ親父根性が、運の尽き。
 男のロマン販売店・『ダンディズム』店長ジョニーは、正直で忠実な商売がモットーなので、誇大広告なんてしないのだ。
 今夜に限っては、己の不覚に気付いても、リベンジは不可能。正しくは、弾切れ。
「コネコちゃん、せめて抱っこしてくれよ」
「嫌です拒否します近寄らないで下さい」
 50p程の距離を詰めて、抱っこして、コネコに謝らなければ後々大変な事になるのはよく分かっていたが。
 お願いだから、せめてあと5分、待って欲しい。
 床に転がっているゴーグルを装着していなくても、盛大に立ち上る白煙が見えるようだった。


 久々に燃え尽きたエロ親父が、そこにいた。




**外れなので、強制的に目次へリンクしてあります。といっても、プラウザバックすれば前頁に戻れますけど(笑)**                                           


Bを選んだ方。ある意味、管理人と感性が近いですが。如何せん、管理人にBを書ける技量はありません(笑)